田中恒成は、きわめて実り多いキャリアの中で4階級で世界タイトルを獲得した。
水曜日、田中恒成は自身の
SNSを通じて現役引退を発表した。
「プロボクサーとして引退します。11年間のプロ生活でした」と田中恒成はX(旧Twitter)に投稿した。
「長い間応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。引退の理由は、繰り返す目のケガがすべてです。」
6月15日に30歳を迎える田中は、アマチュア時代にも成功を収めており、全国高校選抜大会で4度の優勝、2012年のユース世界選手権ではベスト8、2013年のASBCアジアユースボクシング選手権では銀メダルを獲得している。
同年、18歳でプロに転向し、アマチュアで46勝5敗(13KO)という戦績を残した後にプロキャリアをスタートさせた。
デビューからわずか4戦目、11か月後には原隆二を10回TKOで破り、OPBF東洋太平洋ミニマム級王座を獲得。続く試合ではジュリアン・イェドラスを12回判定で下し、空位のWBO世界ミニマム級王座を手にした。
1度防衛した後、田中はライトフライ級に階級を上げ、元王者モイセス・フエンテスを5回TKOで圧倒し、空位のWBO世界ライトフライ級王座を獲得した。
田中はライトフライ級王座を2度防衛した後、再び階級を上げる決断を下した。
フライ級に転向した田中は、プロ12戦目でWBO世界フライ級王者・木村翔に12回マジョリティ・デシジョンで勝利し、3階級制覇を達成。これはワシル・ロマチェンコと並ぶ世界最速タイ記録だった。
その後、田中はこの階級で3度の防衛に成功。中でも、元リング誌/統一ライトフライ級王者の田口良一に12回判定勝ち、さらに後にWBO世界ライトフライ級王者となるジョナタン・ゴンサレスを7回TKOで破った試合は高く評価された。
続く試みは4階級制覇だったが、2020年大晦日の試合でWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔に8回TKOで敗れ、偉業達成はならなかった。
この敗戦後、田中は1年間の休養を取り、復帰後は4連勝を飾って再びタイトル戦線に返り咲いた。
そのチャンスは、WBOスーパーフライ級王者・中谷潤人がバンタム級へ転向し王座を返上したことで巡ってきた。田中は空位となった王座を懸けてクリスチャン・バカセグアと対戦。
豊富な経験を活かした田中は、12回判定勝ちで王座獲得に成功。これにより、21戦目で4階級制覇を達成し、オスカー・デ・ラ・ホーヤが保持していた「最少試合数での4階級制覇」の記録を更新した。
しかし、2024年10月に行われた初防衛戦では、無名の南アフリカ人ファイター、フメレレ・カフにスプリット・デシジョンで惜敗。
幾多の激闘がその身体に重くのしかかっていた田中は、戦績20勝2敗(11KO)という記録を残し、リングに別れを告げた。
『
ザ・リング』誌は、田中恒成の引退を祝福し、今後の活躍と人生に幸多からんことを心より願っています。
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