7月、
当時WBA世界スーパーフライ級王者だった井岡一翔は、IBF王者フェルナンド・マルティネスと王座統一戦を行った。マルティネスが白熱した12ラウンドの戦いを制し、判定勝ちを収めたことで、再戦は12月下旬に予定されていた。
しかしアルゼンチンからの挑戦者であるマルティネスが体調を崩し、試合は直前で中止となった。
その後、両陣営は交渉をまとめ、マルティネスがWBAタイトルを懸けて再びリングに上がることで合意。彼はIBF王座の指名防衛義務があったため、IBFタイトルは返上した。試合は東京・大田区総合体育館で日曜日に行われる。
ザ・リング誌のスーパーフライ級ランキングで3位に位置する井岡は、長らく待たされたこの再戦がその分だけ報われるものになると信じている。
「5月11日にマルティネスとの再戦が決まってとても嬉しいし、実現に尽力してくれた関係者の皆さんに感謝している」と井岡(31勝3敗1分、16KO)は語った。「12月の試合に向けて万全の準備をしていただけに、中止になった時はとても残念だったが、状況を受け入れるしかなかった」
10か月前に12ラウンドを戦った経験から、井岡はマルティネスの実力を十分に理解している。
「マルティネスは本当に良いボクサーだった。実際にリングで向かい合って、彼の技術を肌で感じた。今回は、気持ちの強さと冷静な頭脳の両方が必要になる。技術的に賢く戦わなければならない」
36歳になり、ミニマム級、ライトフライ級、フライ級、スーパーフライ級で世界王座を獲得してきた井岡には、若手に道を譲っても不思議ではないキャリアだが——
「若い世代の選手たちと一緒に練習することは、大きなモチベーションになる」と井岡は語る。同じ興行のアンダーカードに出場する堤駿斗、弟の麗斗、吉良大也の3人と共に時間を過ごすことについて「彼らは将来、必ず世界チャンピオンになるべき選手たちだと本気で思っている」
いつも通り、井岡はマルティネスに対して礼儀正しいメッセージを送った。
「5月11日に再びマルティネスとリングで会えるのを楽しみにしている」と彼は語った。「お互いにベストを尽くそう」
マルティネス(17勝無敗、9KO)は、ザ・リング誌のスーパーフライ級ランキングで1位に位置し、優れたアマチュアとして世界中でアルゼンチン代表として活躍してきた。ワールド・シリーズ・オブ・ボクシングや2016年のオリンピックにも出場した後、2017年にプロに転向。最初の9戦はすべてアルゼンチンで行い、アテンコシ・デュメズウェニを11回TKOで下すため南アフリカにも遠征した。
33歳の彼は、ジェルウィン・アンカハスを12回判定で破ってIBF王座を獲得するまで、ほとんど知られていなかった。その後の初防衛戦でも再びアンカハスを下し、さらにフィリピン人選手ジェイド・ボルネアを11回TKOで退けた。そして日本で行われた井岡一翔との統一戦では、12回判定で勝利を収め、印象的なパフォーマンスを見せた。
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