逆境に直面したとき、どのように対応するか――それがボクシングの頂点にたどり着けるかどうかを左右する重要な要素である。
ジャスティン・ポールドは、2024年2月に行われたミゲル・マドゥエーニョとの10回戦で、僅差のスプリット判定負けを喫した。マドゥエーニョはその勝利をきっかけに、キーショーン・デイビスやオスカー・ドゥアルテとの試合へとつなげたが、ポールドは敗戦から約1年後、再び自身を証明する場であるProBoxのリングに戻り、元IBF世界スーパーフェザー級王者
シャフカトジョン・ラヒモフと対戦した。
連敗は、ポールドのキャリアと将来的な世界タイトル挑戦の夢にとって大きな痛手となるはずだった。崖っぷちに立たされた30歳の彼は、
マドゥエーニョ戦で得た教訓を活かし、自身最高のパフォーマンスを披露。2025年2月8日、テキサス州サンアントニオでの試合でシャフカトジョン・ラヒモフを打ちのめし、2度のダウンを奪った末に8回TKO勝利を収めた。
「これまでの中であの試合が最高のパフォーマンスだった。相手は元世界王者で、試合前から高く評価されていたからね」とポールドは『The Ring』誌に語った。「自分はアンダードッグ扱いだったけど、あの試合で圧倒的な勝ち方を見せることができた。」
また、マドゥエーニョ戦から得た教訓についてはこう語っている。「あの試合も自分が勝ったと思っているけど、同時にすごく大きな学びになった。どのラウンドも際どい展開にしちゃいけないってことをね。」
「手を緩めるな、限界の先まで行け。審判がどこを見ているか、どう評価しているかなんて分からないから。常に攻めの姿勢を保ち、試合ごと、ラウンドごとに支配的な勝ち方をするのが大事なんだ。」
キャリア最高の夜から4か月後、ポールド(18勝2敗、9KO)は再びテキサス州サンアントニオのボーイング・センターに戻り、今度はプロボックスのメインイベントとして、フアン・カルロス・ブルゴスとの10回戦に臨む。試合は東部時間午後5時に開始予定。
ブルゴスは47戦のキャリアを誇るベテランで、一度もKO負けを経験していない。多くの新鋭が彼を試金石として乗り越えてきたことからも、その実力がうかがえる。
フアン・カルロス・ブルゴス(36勝8敗3分、22KO)の8敗のうち6つは、無敗の相手との対戦で喫したものだ。その中には、
現WBOライト級王者のキーショーン・デイビス、元ライト級4団体統一王者でWBCスーパーライト級王者でもあったデビン・ヘイニー、そして引退した4階級制覇王者マイキー・ガルシアも含まれる。
また、37歳のブルゴスは、キューバの五輪金メダリストでライト級の新鋭
アンディ・クルスのプロデビュー戦でも敗れている。
「最高のパフォーマンスを出さなきゃいけない」とポールドは語った。「彼には豊富な経験があるし、いろんな場面を見てきている。だからこそ、自分もベストの状態で、賢く戦わなければならない。」
ポールドはラヒモフに勝利したことで、WBCおよびWBOのライト級ランキングに名を連ねることとなり、今後さらに数試合で印象的な勝利を収めれば、世界タイトル挑戦が視野に入ってくる位置にまで近づいた。試合を目前に控えた現時点で、彼はWBOで12位、WBCで14位にランクインしており、WBC王座は
シャクール・スティーブンソンが保持している。
ポールドは、対戦相手のレベルが上がっていく中で自分も結果を出し続け、いずれはライト級(135ポンド)のトップ選手たちとの対戦チャンスを手にすると信じている。
「俺はこの階級のトップと戦いたい」とポールドは語った。「まだそれを見せる大きな舞台を与えられていないけど、その時は必ず来る。印象的な勝利を重ねていけば、ファンやメディア、そして関係者たちが、俺がこの階級のビッグネームと戦うことを求めるようになるはずだ。」
とはいえ、近い将来にタイトル挑戦を実現させるためには、まず目の前の試合を確実に勝ち切り、リングに上がるたびに自分がこのエリート階級にふさわしい存在であることを証明し続けなければならないと、ポールド自身もよく分かっている。
「12か月から18か月以内にリングに上がって世界王者になりたいという気持ちはある」とポールドは語った。「でも今の自分にとって大切なのは、目の前の一戦に集中すること。一試合ずつ確実に勝つ、それが世界タイトルにたどり着くために一番重要なことだ。」