「忍耐は美徳」である。
スペインのジュニアウェルター級ファイター、
ジョン・フェルナンデスにとっては、まさにその忍耐が求められてきた。
「ジョンフェル」ことフェルナンデスは、これまで何度もヨーロッパ王座挑戦のチャンスが目前にありながら、王者たちが彼との対戦を避け続けてきた。
しかしついに、土曜日、スペイン・ビルバオのパベジョン・デ・ラ・カシーリャで、アルマンド・カサモニカと空位の欧州王座を懸けて対戦する機会を手にすることになった。
「フラストレーションの多い一年だったけれど、こういうことがボクシングの世界では起こるのだと学び、どう対処すべきかを知る時間にもなった」と、フェルナンデス(27勝3敗、22KO)は『ザ・リング・マガジン』に語った。
「同時に、この階級のビッグネームたちが自分をどう見ているのかもよく分かった。ダルトン・スミスもピアース・オレアリーも、誰も俺と戦いたがらなかった。つまり、危険な相手だと認識されているということだ。でも、ポジティブに考えれば、これだけ待って苦しんだ時間は、必ず将来のキャリアにとって良い経験になるはずだ。」
30歳のビルバオ出身のフェルナンデスは、イタリア人挑戦者に備えるため、この3年間自身を指導してきたニコラス・ゴンザレスのもとでトレーニングするためにマドリードへ拠点を移した。
「技術的な部分や戦略面は、コーチとチームに任せている」と、彼は落ち着いた様子で語る。「カサモニカは強くて、激しい攻撃的なボクサーだ。さらに、これはお互いにとって非常に重要な試合であり、ファンにとっても面白い試合になるはずだ。」
しかし条件面の合意に至らず、最終的に彼のプロモーターである
PCIプロモシオネスが、€158,888.00(£137,950.00 または $185,620.00)という額で入札に勝利した。フランク・ウォーレン率いるクィーンズベリー・プロモーションズの提示額は €101,000 であった。
これを受けてオレアリーは王座を返上し、フェルナンデスはカサモニカとの対戦に回ることとなった。
「俺はいつも、対戦相手について必要以上に考え過ぎず、最後の3週間まではトレーニングに集中するようにしている」とフェルナンデスは言う。「興味深いことに、オレアリーとカサモニカは非常に似たスタイルで、相手が変わっても自分への影響はないと思う。」
フェルナンデスは、土曜日には熱狂的な地元ファンの強い後押しを受けることになる。
「ビルバオでヨーロッパ王座を懸けた試合ができるなんて、ついに夢が叶った。ファンの前で必ずベルトを獲りたい」と語る。「このベルトをビルバオに持ち込むために尽力してくれたPCIプロモーションズに感謝している。
さらに、この試合が行われるラ・カシーリャは、1960年代からボクシング興行が続いているスペイン最古のボクシング会場であり、俺が初めてプロタイトル(WBCユース王座)を獲得した場所でもある。」
フェルナンデスのマネージャー兼プロモーターであるオスカー・サルダインは、英国やアイルランドのビッグネームとの対戦を望んでいたが、実現には至らなかった。しかし、彼はフェルナンデスを世界タイトルにつながる重要なステップとなる今回の欧州王座戦へと導くことに成功した。
「スミスやオレアリーとは、たとえ相手の地元であっても喜んで戦うつもりだったが、結果として実現しなかった」とサルダインは語る。「カサモニカはトップレベルの相手であり、ヨーロッパ選手権にふさわしい試合になるはずだ。
ジョンはWBCランキングで12位につけている。勝てば間違いなくトップ8に入るだろう。」
カサモニカは2020年12月にプロデビューした25歳のファイターである。パトリツィオ・サンティーニ(10回TKO)、ジャンルカ・ピカルディ(10回判定)に勝利しているほか、昨年11月にはジェイク・ポール vs マイク・タイソン興行のアンダーカードで、WBAライト級2位のルーカス・バディに10回マジョリティ判定で惜敗している。
また、5月30日にローマで行われた凱旋試合では、シャルルマーニュ・メトニエクポンをスプリット判定で下し、自身初の12回戦を勝利で飾っている。
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