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ジム・ランプリー、タイムズスクエア『Fatal Fury』で実況復帰に感謝「ここから何が始まるか見てみよう」
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Manouk Akopyan
Manouk Akopyan
RingMagazine.com
ジム・ランプリー、タイムズスクエア『Fatal Fury』で実況復帰に感謝「ここから何が始まるか見てみよう」
ボクシング界を代表するブロウ・バイ・ブロウ解説者のひとり、ジム・ランプリー。その象徴的な声は、2018年にHBOがボクシング中継から撤退したことで突如として沈黙した。

それから6年以上もの間、国際ボクシング殿堂入り解説者であるランプリー(76歳)は、次なる実況のチャンスを辛抱強く待ちながらリングサイドから離れていた。

ノースカロライナ大学チャペルヒル校でコミュニケーション学の講師を務めながら、PPV.comのボクシング生配信チャットでは独自の視点を発信。また、自身の50年にわたるキャリアを振り返る著書『It Happened! A Uniquely Lucky Life In Sports Television』も最近出版した。

DAZN PPVで放送されるザ・リング・マガジン主催のタイムズスクエア大会にて、ライアン・ガルシア対ロランド・ロメロ戦をメインとする全4試合の実況を担当する。

「ついにこの時が来た」とランプリーはザ・リング・マガジンのインタビューで語った。「戻ってこられることに心から感謝している。タイミングが信じられないほど完璧だった。ここから何が起こるか見てみよう。」

「正直言って、一度は完全に諦めていた部分もあった。何年も電話が鳴るのを待っていたが、これはもう終わった、俺の役目は終わったんだと悟った。でも俺の中には常に熱意と緊張感、そしてボクシングを見続けようとする意思があった。どこかで、またこの日が来ると信じていた。」

そして今年2月1日、ついに復帰の歯車が回り出す。ザ・リングのオーナー、トゥルキ・アル・アルシークがSNSを通じて彼に招待のメッセージを送ったのだ。

その言葉こそが魔法だったと語るランプリー。その夜はラスベガスでデビッド・ベナビデス対デビッド・モレル戦をPPV.comで取材していた。「トゥルキ・アル・シークから声をかけてもらえたことは本当に光栄だった。彼にも、この話に関わってくれたすべての人にも感謝している。あとは俺の出番だ。自分のベストを尽くすつもりだ。あの夜がどうなるかなんて分からないけどな。」

長いブランクを経てリングに戻るボクサーと同じように、ランプリーも「実況の勘」が鈍っているのではと自然に不安を抱いている。大舞台に向けて、過去の名実況を繰り返し見返し、リズムやテンポ、共演者との掛け合いを改めて身体に染み込ませている。

「もう6年以上リング実況から離れているから、今の俺がどんな存在なのか自分でも分からない」と語るランプリー。「アル・アルシークが期待しているのは、きっと『あの男はまだあの頃の実況ができるのか?』というファンの好奇心と期待感だと思う。」

「この機会には敬意と、ある種の恐怖心を持って向き合っている。それが準備につながる。自転車に乗るようなもので自然に戻るって言う人もいるけど、俺はそう簡単だとは思ってない。でも、やるべきことは分かってる。5月2日の夜までには、観る人にふさわしい実況を届けられるよう準備を整えるつもりだ。」

ランプリーが今感じている周囲からの温かい声援は、キャリア初期の頃とは全く異なるものだった。かつてはテレビ局ABCの重役デニス・スワンソンによって、解雇への布石としてボクシング実況を任された過去もある。

「スワンソンは俺に契約を辞めさせたかったんだ」と語るランプリー。「払っている報酬に見合わないと思っていたし、カルチャー的に合わないとも思っていた。彼は、俺がハワード・コーセルの後継者として視聴者に見られることを恐れていた。だから俺をわざとボクシングに配属して、恥をかかせようとしたんだ。でも、彼は知らなかった。俺が初めて夢中になって見たスポーツ中継が、1955年のギレット・フライデーナイト・ファイトでのシュガー・レイ・ロビンソン対ボボ・オルソン戦だったということを。」

1986年にマイク・タイソン対ジェシー・ファーガソン戦を実況したのが、ランプリーのボクシング実況デビュー。その翌年にHBOと契約し、以降31年間にわたって“世代のサウンドトラック”を務めた。

ランプリーは、5歳で父を亡くして以来、母と祖母に育てられた。二人ともスポーツと物語をこよなく愛していたという。そんな背景から、今回の著書執筆も自然な流れだった。

「本を書いている間じゅう、ずっと彼女たちの真似をしていた。だからこの本は彼女たちに捧げた」と語るランプリー。「すべて記憶だけを頼りに書いた。何年もバーやレストラン、番組の打ち合わせの場で話してきたエピソードを、みんなに『絶対に本にすべきだ』と言われてきたから。」

本の中では、モハメド・アリが当時8歳だった娘ブルックの面倒を見てくれた話、東京でバスター・ダグラスがマイク・タイソンをKOした歴史的番狂わせの実況、さらにはジョージ・フォアマンがマイケル・ムーアーを破って史上最年長ヘビー級王者となった一戦などが綴られている。ちなみに本のタイトルはこのフォアマンの勝利に由来している。

この回顧録の発売日は4月15日。だが、ランプリーにとっては偶然とは思えない出来事が重なる。約1か月前、長年の盟友でありHBO時代の同僚でもあったフォアマンが突然この世を去ったのだ

今、かつてボクシング史に残るカムバックを果たしたフォアマンのように、ランプリーにもまた、放送界での“第二の王座”獲得が待ち受けている。

Manouk Akopyanはザ・リング・マガジンのリードライター。XとInstagram:@ManoukAkopyan をフォロー。

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