ヘスス・ラモスは、ボクシング界でも最も謙虚で礼儀正しいファイターの一人である。
彼は土曜日の夜にWBCミドル級暫定王座を争う機会を得たこと、そして160ポンド級で発言力を高められる可能性に対して、相応の感謝を述べた。しかし、アリゾナ州カサ・グランデ出身のサウスポーであるラモスは、新階級でWBCの正規王者になるまでは満足するつもりはない。
ラモスは、
シェーン・モズリー・ジュニアとの
激闘を制した直後、その目標に向けて一切の時間を無駄にしなかった。
「自分は
カルロス・アダメスが欲しい」とラモスは言った。「彼が正規王者である。自分は暫定王座なんていらない。本物のチャンピオンを望む。」
ドミニカ共和国出身のカルロス・アダメス(24勝1敗1分、18KO)は、先週タイのバンコクで開かれたWBC年次総会で、WBC正規王座の義務防衛戦としてカザフスタンの
メイリム・ヌルスルタノフ(20勝0敗、11KO)と対戦するよう指示を受けた。しかしラモスは、その次ではなく、アダメスこそ次に戦いたい相手だと言う。アダメスとラモス(24勝1敗、19KO)は共にアル・ヘイモン率いるPBCと契約しており、この対戦を組むには比較的障壁が少ないように思われる。
アダメスは『The Ring』誌のミドル級王座(現在は空位)ランキングで2位の挑戦者である。彼は2024年2月22日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで行われたイギリスの
ハムザ・シェラーズ(22勝0敗1分、18KO)との
疑惑のスプリットドロー以来、リングに上がっていない。
一方ラモスは、身長もリーチもある相手で、強烈な右ストレートを何度も着弾させたモズリー(22勝5敗、12KO)を判定で破った後、休養が必要な状態である。24歳のラモスは試合後、右手をトレーニング中に負傷しており、12ラウンド戦の準備が制限されたと明かした。試合はサンアントニオのフロスト・バンク・センターで行われたアイザック・クルス対ラモン・ローチのPPVのアンダーカードであった。
「正直に言うと、本当に大変だった」とラモスは語った。「実はキャンプの最後の3週間、右手を負傷していたんだ。最後の4週間はスパーリングをしていない。だからリズムをつかむのも難しかった。リズムに乗っても失ってしまう。たくさんの障害があったが、家族には『サンアントニオをベルトなしで出ることは絶対にない』と言っていた。」
ラモスはジャッジのネイサン・パーマー(117-111)、ジェシー・レイエス(116-112)、コリー・サントス(117-111)によって大差での勝利と採点された。しかしラモス自身は、その公式記録以上に試合終盤で深く自分を追い込む必要があったと認めている。
「最後の数ラウンドでは、どうしてもエリクソン・ルビン戦のことを思い出していた」とラモスは、2023年9月の僅差判定負けについて語った。「フラッシュバックが続き、同じことは絶対に繰り返したくなかった。だから押して、押して、押し続けた。10ラウンドでは精神的にかなり厳しい状態だった。疲れていたけれど、最後のゴングが鳴ったとき、それが報われると分かっていた。」
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@idecboxingで連絡可能。