土曜の夜に階級を上げたのはヘスス・ラモスのほうだった。
だが、
シャーン・モズリーJr.相手に見せたパフォーマンスを見る限り、それを感じさせる場面はほとんどない。ラモスは気迫あふれるモズリーを何度もグラつかせ、相手のベストショットも受け切り、サンアントニオのフロスト・バンク・センターで行われたアイザック・クルス vs ラモント・ローチのPPVアンダーカードで、WBCミドル級暫定王座決定戦をユナニマス判定で制した。
アリゾナ州カサグランデ出身のサウスポー、ラモス(24勝1敗、19KO)は、ジャッジのネイサン・パルマー(117-111)、ジェシー・レイエス(116-112)、コーリー・サントス(117-111)で危なげなく勝利。
一方、カリフォルニア州ポモナ出身のモズリー(22勝5敗、12KO)は、
プロ11年目で迎えた初のタイトル戦でタフネスを見せ続けた。背が高くリーチも長い元スーパーミドル級の彼は、何度かクリーンな右を当ててラモスの注意を引く場面もつくった。
ラモス(24歳)は、ミドル級への階級アップが正しい判断だったことをしっかり示した。試合前、ラモスもモズリーもWBCミドル級ランキングには入っていなかったが、この一戦が意外にも暫定王座決定戦として承認される。ラモスは、ジュニアミドル級では求めるようなチャンスを得られず、フラストレーションを募らせていた。
34歳のモズリーは17か月ぶりのリング復帰。それでも動きはシャープで、2024年7月に元IBF/WBAミドル級王者ダニエル・ジェイコブスにユナニマス判定で勝って以来の試合とは思えないパフォーマンスだった。
ラモスは勝利へ向かって順調に試合を進めていたが、12ラウンド開始直後には強烈なショットをまとめてモズリーに浴びせる。終盤1分を切ったところではリング中央で激しく打ち合った。
11ラウンド残り2分弱、ラモスは左でモズリーをグラつかせる。モズリーは明らかに効いていたが、その後立ち直り、追加の強打も耐えて見せた。
9ラウンド半ば、モズリーはカウンターの右をヒットさせ、8ラウンド序盤にも強烈な右を突き刺す。
7ラウンドではラモスがボクシングをより意識した立ち回りにシフト。
6ラウンド残り40秒少し前、ラモスのクリーンな右フックがヒット。続く右アッパー、そしてストレートの左が決まり、モズリーの動きが一瞬止まる。
5ラウンドではラモスの左2発がモズリーの前進をブロック。しかしモズリーも反撃し、ロープに詰めたラモスへ右を叩き込む。
4ラウンド序盤、ラモスがより重いショットをもらう展開になったが、モズリーは中盤に右を当ててラモスをグラつかせた。
3ラウンドではラモスの右フックがモズリーにヒット。2ラウンドでは左をボディへ叩き込み、ダメージを蓄積させる。
1ラウンド開始1分、ラモスのストレート左でモズリーがよろめく。約10秒後にはモズリーも右を当て、ラモスを後退させて応戦した。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@idecboxingで連絡可能。