ジャレル・ミラーと
キングズリー・イベーの一戦は、異色の経歴を持つ者同士が激突する試合である。
ミラー(26勝1敗2分、22KO)は、近年までキックボクシング、ムエタイ、柔術でキャリアを積み、現在はフルタイムのプロボクサーとして戦う。
一方のイベー(16勝2敗、14KO)は、元アメリカンフットボール選手から保険営業マンへ転身し、いまやヘビー級コンテンダーとして名乗りを上げる存在である。
1月31日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで開催される
「The Ring 6」での激突を終えた後、敗者は自身のキャリアを見つめ直すことになる。
「自分はストリートのメンタリティーを持っている。保険を売っているような男に負けるわけがない」とミラーは『Inside The Ring』で語る。
「自分は大柄だが、殴り合うつもりで来ているし、勝つために戦う。14歳の頃からファイターであり続けてきた。人生でつまずきはあったが、より良くなるために前進し続けている」。
汚名を着せられた“ビッグ・ベイビー”ことジャレル・ミラーは、キャリア再生を目指し、37歳での最後の勝負に向けて態勢を整える。パフォーマンス向上薬の問題により、2019年の
アンソニー・ジョシュア戦、翌年のジェリー・フォレスト戦が流れ、上昇機運は頓挫する。
ミラーは2018年以降、わずか5試合しか戦っておらず、直近2戦は未勝利である。2023年には
ダニエル・デュボアにKO負け、2024年には
アンディ・ルイスとマジョリティ・ドローに終わる。この試合は、ミラーが勝っていてもおかしくなかったと見る向きも多い。
ミラーのキャリアは昨年、
ファビオ・ウォードリー、
マイケル・ハンター、
デレク・チゾラといった相手との予定試合がすべて流れ、さらに暗転する。実現しなかった3試合の準備で、約20万ドルの出費を被ったとミラーは語る。
「子どもたちを見て、『神には自分への計画がある。自分は諦めない』と言った」とジャレル・ミラーは語る。「夢を諦めるわけにはいかない。そうしたら子どもたちに『パパ、どうしたの?』と言われてしまう。信仰を胸に、家族を軸に地に足をつけて生きている。自分は兵士だ」。
ミラーは今もマイクを握れば名人芸で、どんなカードにも自らをねじ込める話術を持つ。無名に近いキングズリー・イベー戦で勝利し、勢いを築いて、元ヘビー級王者の
タイソン・フューリー、
デオンテイ・ワイルダー、そしてアンソニー・ジョシュアとの大一番へとつなげたい考えだ。
「ノックアウトするためにリングに上がる」とミラーは言う。「背水の陣だ。このキャンプでの仕上がりは最高だし、キングズリーを倒す」
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任記者である。 X (旧Twitter)および Instagramでは@ManoukAkopyanで連絡可能。