この突然の展開により、ミラーは完全に蚊帳の外に置かれる形となった。
「チゾラは何か月も前から俺に電話してきて、『体をキープしておけ、絶対に実現させよう』って言っていたんだ」とミラーは
『ザ・リング』に語る。「俺たちはVADA検査にサインして、契約書にもサインして、すべて順調であとは承認を待つだけってところまでいってた。なのに、突然あいつは戦いたくないって言い出した。正直、チゾラが何を考えているのか分からない。でも彼はこのゲームのベテランだし、俺の知らないことを知っているのかもしれない。ビッグ・ベイビー戦に向けて、身体がもう限界だって分かってるのかもしれない。チャンスってのは一度逃すと、二度と戻ってこないものだ。
「この状況と、彼のやり方には100パーセントいら立ってる。でも、チゾラには自分の思うように行動する権利がある。彼はこれまで、一度も戦いから逃げたことがない男だからな。」
「正直、なんで気が変わったのか分からない。俺のことを怖がってるとは思わない。でも、俺と戦ったらそれが自分の最後の試合になるって、彼は分かってると思う。
ディリアン・ホワイトと戦えば、あと2試合ぐらいは体がもつかもしれないけどな。」
“ビッグ・ベイビー”ことミラー(26勝1敗2分、22KO)は、ニューヨーク出身の37歳。昨年8月、元ヘビー級王者アンディ・ルイス・ジュニアと引き分けて以来、試合をしていない。その前の2023年12月には、ダニエル・デュボアとの10回戦の最終秒でストップ負けを喫している。
「俺はずっとジムにいて、常に準備を整えている」とミラーは語る。「今の俺はそういう状態だ。誰かが度胸を見せてくれれば、いつでもやってやる。」
一方、チゾラ(36勝13敗、23KO)は、プロ50戦目となる試合でホワイトからの勝利を狙っている。ホワイト(31勝4敗、21KO)は、2016年にスプリット判定で、そして2018年には11回TKOでチゾラに勝利している。
チゾラは今年2月の最新試合でオット・ワリンに3-0の判定勝ちを収めている。一方、ホワイトは8月、モーゼス・イタウマにわずか1ラウンドでストップ負けを喫している。
Manouk Akopyanは『ザ・リング』の主任ライター。
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