36歳のアメリカ人ヘビー級コンテンダー、
ジャレル・ミラーが長年のプロモーターであるディミトリー・サリタとの決別を明かした。
戦績26勝1敗2分(22KO)のミラーは、6月7日にポートマン・ロードで行われるメインイベントで好調の英国人
ファビオ・ワードリーと対戦する予定だったが、
トレーニングキャンプ中に肩を負傷し、4月30日に試合を辞退した。
その後、無敗のオーストラリア人コンテンダー、ジャスティス・フニ(12勝無敗、7KO)が代役として起用された。クイーンズベリーの代表フランク・ウォーレンは、フニがワードリーにとってさらに大きな脅威となる
可能性があると考えている。
それにもかかわらず、ブルックリン出身のベテランは、デリック・“ボジー”・エニスという新たなトレーナーのもとで、自身のキャリアに新たな息吹を吹き込もうとしていた。
SNSで公開された声明の中で、ミラーは次のように語った。
「今、あちこちで“あいつがこう言った、こいつがああ言った”って話が飛び交ってるけど、はっきりさせよう。ディミトリー・サリタとグレッグ・コーエンはもう俺のプロモーターじゃない。今の俺にはプロモーターはいない。少しだけ後退してたけど、あと1週間で問題ない。発言していいのはこの写真に写ってる俺のマネージャー、スペンサー・ブラウンだけ。ほかの誰にも発言権はない。まもなくさらなる情報を出す。」
デリック・“ボジー”・エニスは、統一ウェルター級王者ジャロン・エニス(34勝無敗、30KO)の父でありヘッドトレーナーとして最も知られており、現在3人の世界王者を手がけている。
スティーブン・フルトン(23勝1敗、8KO)は、2024年2月にブランドン・フィゲロアとの再戦で明確な勝利を収めてWBCフェザー級王座を獲得。また、その3か月前にはオシェイ・ジョーンズ(8勝無敗、3KO)がファムケ・ハーマンスとの試合でIBOおよびIBF女子ジュニアミドル級タイトルを統一した。
WBAで4位にランクされていたミラーは、世界タイトル獲得への近道として、まだ世界レベルで試されていない有力コンテンダー、ファビオ・ワードリーとの対戦で自身の経験を示すことを狙っていた。
しかしミラーの無敗記録は、2023年12月、リヤドでのダニエル・デュボア(現IBF王者)戦で終わりを迎えた。さらにその8か月後、元統一王者アンディ・ルイス・ジュニアとの復帰戦では、激しい12ラウンドの末にマジョリティドローに終わっていた。
パフォーマンス向上薬物で2度の陽性反応を示した後、ミラーは4年間のブランクを強いられたが、キャリア再起をかけて再び英国人選手との対戦で大きなインパクトを残そうとしていた。6年前、3度の薬物検査陽性により、キャリア最高額のファイトマネーとアンソニー・ジョシュア戦のチャンスを逃した過去がある。
かつてWBA世界スーパーライト級タイトルに挑戦したこともあるサリタは、2011年に現役選手として活動しながらミラーを初めてプロモートし、それ以来10年以上にわたって“ビッグ・ベイビー”と関係を築いてきた。2014年には、前述のグレッグ・コーエンと共同プロモート契約も結んでいた。
しかしその関係は順調とは言えず、ミラーは昨年11月に計画されていたデレク・チゾラとの対戦が流れた原因はサリタにあると指摘している。同じくサリタがプロモートするヘビー級のオット・ワリンは、その後チゾラ戦に出場し、2月8日に12ラウンド判定で敗れている。