ジャロン“ブーツ”エニスが称賛を浴びる一方で、父親のデリック“ボジー”エニスは、今回のパフォーマンスを「ただのいつもの仕事」として受け止めた。
エイマンタス・スタニオニス(15勝1敗、9KO)は、フィラデルフィアのスターを試し、追い込む以上のことを期待されていた。中には、エニスのディフェンス面の弱点を突き、番狂わせを起こすと予想する声もあった。だが、エニス陣営にはそのような見立ては理解できなかった。
これまで
エニス(34勝無敗、30KO、1ノーコンテスト)は楽に勝ち進んできたが、スタニオニスは激しい攻撃を受け止めるだけでなく、自らも打ち返せる男として立ちはだかった――だが結局、それはできなかった。
4月12日、アトランティックシティのボードウォーク・ホールで行われた試合で、
エニスはあらゆる面でスタニオニスを圧倒し、6ラウンド終了後にはリトアニア人のチーフセコンドであるマーヴィン・ソモディオが情けをかけてタオルを投げ入れる結果となった。
試合から5週間が経った今も、エニスの父でありトレーナーでもある彼は、その日のパフォーマンスを思い出して笑みを浮かべる。試合展開を振り返る中で、息子を称える前にスタニオニスへの敬意を忘れなかった。
「スタニオニスは、ブーツと比べるとまるでアマチュアのように見えた」とエニスはYSMスポーツメディアに語った。「スタニオニスはタフなファイターだが、ブーツは簡単に見せたんだ。」
あの夜のエニスは、まさに漫画のような強さを見せた。しかし、その華やかなパフォーマンスに惑わされてはいけない。これまでのキャリアを通して、彼は本気でギアを上げることをほとんど強いられていないのだ。
Cゲーム、いやDゲームですら、エニスにとっては十分すぎる結果を出してきた。だが、世界王者であるスタニオニスを倒すには、それ以上のものが求められた。息子がまだすべての実力を見せたわけではないと確信しつつも、ボジーは、27歳の彼が秘めたポテンシャルの一端を垣間見せたと感じている。
「ブーツには段階がある、いくつものレベルがあるんだ」と彼は続けた。「スタニオニスはその第一段階まで引き出したが、彼にはその先がまだまだあるんだよ。」