日本ボクシングコミッション(JBC)は、8月2日に東京で行われた同一興行で2人の選手が死亡した件について、調査を行うと約束した。
萩原実会長と安河内剛事務局長は、金曜日に小足重利が、翌日に
浦川大将が亡くなったことを受け、きょう東京で記者会見を開いた。
小足と12回戦でスプリットドロー(判定2-1)を演じた東洋太平洋ボクシング連盟(OPBF)ジュニアライト級王者の
山戸蓮も、この日がボクシング史上最も悲劇的な一日となった後に入院したと報じられている。
萩原会長は記者会見で「原因の調査や解明を含め、できることは直ちに着手し、今後の対策を講じたい。一刻も早く前に進めたい」と語った。
安河内事務局長は「ご遺族や関係者の悲しみ、そしてこの問題の重大さをあらためて痛感している。スポーツに内在するリスクをどうすれば排除できるのか。今回は深刻な事態だ」と述べた。
「国内外の仲間や関係者から『できることがあれば協力する』との声をいただいている。再発防止のために、皆で協力して取り組みたい。」
JBCはすでに行動を開始しており、日本で行われるOPBFおよびWBOアジアパシフィックのタイトルマッチを12回戦から10回戦に短縮すると発表した。
また、JBCと日本プロボクシング協会は、8月2日の悲劇を受け、さらなる選手保護策を検討するため、火曜日に会合を予定している。来月初旬には医療セミナーも開かれる予定だ。
28歳の小足は山戸戦の後に倒れ、硬膜下血腫(脳内の血液の蓄積)と診断され、緊急手術を受けたが
助からなかった。浦川も28歳で、齋藤陽ニとの8回戦でKO負けを喫し、同様の損傷を負った。開頭手術を受けたが死亡した。
安河内事務局長は、減量やその他の要因がこうした損傷に影響を与える可能性について調査すると述べた。
「おそらく大きな要因である減量や試合前のコンディション調整については、これまで事務的な視点でしか見られていない。選手と長く密に関わってきた協会関係者の意見を聞きたい」と語った。
さらに、公式計量後の体重増加制限を破った選手への罰則強化を望むとし、
「現時点では罰則はない。今後はルールをより拘束力のあるものにできるよう協会と協力していきたい」と述べた。
世界ボクシング機構(WBO)は、両選手の死去を受けてSNSで哀悼の意を表した。
「安らかに眠れ、小足重利。ボクシング界は、8月2日のタイトル戦で負った傷が原因で亡くなった日本のファイター、小足重利の悲劇的な死を悼んでいます。リングの戦士。魂のファイター。あまりにも早すぎる別れ。ご家族、チーム、日本のボクシング界全体に心よりお悔やみを申し上げます。」
翌日には「WBOは、日本のボクサー浦川大将の死去を悼みます。彼は8月2日に東京・後楽園ホールで行われた齋藤陽ニ戦で負った傷が原因で亡くなりました。
この悲報は、同じ興行で試合を行い命を落とした小足重利の死から、わずか数日後に届きました。ご遺族、ご友人、日本のボクシング界に心から哀悼の意を表します」とコメントした。
小足と浦川の死は、過去2年間に日本で起きた別の死亡事故および生命の危機に関わる重傷に続くものである。
2022年12月26日、穴口一輝(23歳)は東京で行われた堤聖也との10回戦判定負けから約1か月後に死亡。また、重岡銀次朗は5月24日に大阪で行われたIBFタイトル戦でペドロ・タドゥランに12回戦判定負けを喫した後、脳損傷により昏睡状態が続いている。