クルーザー級で激突する両者は、6月28日にカリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで行われる興行のメインイベントを務める。これを盛り上げるため、“トラブル・チャイルド”ことジェイク・ポール(11勝1敗、7KO)は、チャベス(54勝6敗1分、34KO)が過去に抱えてきた問題――試合中の棄権、トレーニングへの不熱心さ、薬物乱用など――を次々と突いて挑発した。
「俺は再び世界を驚かせて、自分がどれだけ強くて、どれだけパワーがあるかを証明する」とポールは語った。「これは彼にとってこれまでで一番厳しい試合になる。俺は彼を恥をかかせて、いつものようにギブアップさせてやるつもりだ。」
「言い訳は一切認めない。俺がこの男を倒したとき、ボクシングメディアはいつもみたいにその勝利の価値を貶めようとするだろう。でも俺はこいつの正体を暴いて、恥をかかせる。チャベスはメキシコの恥だ。メキシコ人ですら彼のことを認めていない。そして6月28日、それが明らかになる。彼がこれまでで一番集中してトレーニングしているって言われてるけど、当然だろ。それくらいしなきゃならない相手なんだから。世間は俺の実力を理解してないけど、最初の数発を受けた時点で、こいつはスツールに戻ってギブアップしたくなるさ」とポールは語った。
チャベス(39歳)にとって最後の大舞台は、2019年12月のダニエル・ジェイコブス戦だった。このときチャベスは金髪と青い髪で登場し、契約体重を約5ポンドもオーバー。第5ラウンド終了後、鼻の負傷を理由にコーナーで棄権した。試合後、アリゾナ州フェニックスのトーキング・スティック・リゾート・アリーナでは激怒した観客が物を投げつけ、会場は騒然となった。
このときの父フリオ・セサール・チャベス・シニア――殿堂入りを果たした三階級制覇王者――が苦々しい表情を浮かべる様子は、後に“ミーム”として拡散された。今回の一戦に向けて、ポールは「チャベス家を再び笑い者にしてやる」と豪語している。
「ビッグマッチが決まって、急に本気でトレーニングを始める? 俺は相手が誰であろうと常に全力で練習してる。それが人としての違いなんだ」とポールは言う。
「メキシコ人は俺のことが大好きなんだ。まるでホームのような環境で試合をすることになる。チャベスよりも俺の方がずっと愛されてる。メキシコはもうチャベスを認めていない。俺はメキシコのファンを愛してるし、最初からずっと応援してくれてる。あいつに“本物のメキシカン・ウォリアー”が誰なのか見せてやるよ。」
さらにポールは、チャベス戦勝利後を見据えた世界王座への野望についても語った。
「俺がここに来た理由は、世界チャンピオンになること、そして世界で最も偉大なスポーツストーリーのひとつを作ることなんだ。ディズニー・チャンネルからYouTube、そして6〜7年で世界王者になったら? それはすべての子供たちに希望を与える最高のスポーツストーリーになる。俺は次の世代を鼓舞するためにここにいる。誰も成し遂げたことのないことを、世界一過酷なスポーツ――ボクシングでやってのける。」
マヌーク・アコピアンは『ザ・リング・マガジン』の主任ライター。Xおよび
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