ラモン・ローチが最高クラスのトラッシュトーカーであることを知る者は、意外と少ないかもしれない。
そのため、水曜日に行われた記者会見でWBA世界スーパーフェザー級王者のローチが
アイザック・クルスと対面した際、早速その舌戦が始まったとしても驚くには値しない。
それでも、クルス(28勝3敗1分、18KO)と140ポンドで戦うことになった30歳のローチは、自分がWBC暫定王者クルスを初めてKOする男になると自信を見せている。
こうした挑発は、クルスにとってはもはや聞き慣れたものだ。再び「打ち砕いてやる」と豪語する相手が現れ、彼は世界に自らの実力を思い出させる瞬間を待ちきれない様子である。
クルスは記者会見でこう語った。
「試合前にみんな好き勝手にしゃべるけど、結局リングに上がればどうなるかは見ての通りだ。ロリー(ロランド・ロメロ)の時と同じように見せてやるだけだ。」
ロランド・ロメロ(25勝1敗2分、10KO)も、昨年3月に行われた両者の対戦前には、ほとんど同じような大口を叩いていた。しかしクルスは、試合までの準備期間中も終始落ち着き払って冷静さを保ち、最終的には言葉ではなく拳でその全てを証明してみせたのである。
8ラウンドにわたりロメロを圧倒したクルスは、相手を立ち上がれなくするまで叩きのめしたのである。しかしローチは打たれ強さに定評がある。
前戦では、パウンド・フォー・パウンドでも屈指のハードパンチャー、
ジャーボンテイ・デービスと拳を交えた。3月1日にブルックリンのバークレイズ・センターで行われたその一戦も、階級を上げて挑んだ試合だったが、ローチは相手の攻撃にほとんど苦戦しなかった。
とはいえ、その試合が
物議を醸すマジョリティ・ドローに終わったことに、ローチはいまだに苛立ちを隠せず、いずれデービスと再戦する機会を望んでいる。だが、その再戦が実現するかは不透明である。というのも、デービス(30勝0敗1分、28KO)は再戦よりも、11月14日に行われる
ジェイク・ポールとのエキシビションを優先したからである。
デービスに振り回された経緯を踏まえ、ローチは新たな対戦相手に鬱憤をぶつけるつもりでいるようだ。クルスもその心情をある程度理解しているが、試合の行方については譲る気がない。どれほどローチのモチベーションが高くとも、勝利を許すつもりはないのだ。
クルスは続けてこう語った。
「試合前にどれだけ口で言おうが、リングに上がればそのトラッシュトークは消えてなくなる。最後に勝つのは俺だ。」