リチャード・リアクポーはクルーザー級の頂点にまで上り詰めたが、渇望していた世界タイトルを手にすることはできなかった。
彼のクルーザー級(200ポンド)での最後の試合は、かつて一度倒した相手であるWBOクルーザー級王者
クリス・ビラム=スミスとの再戦だった。しかしその再現はならず、2024年6月、セルハースト・パークで行われた一戦はCBSが判定で勝利を収めた。この敗北が、リアクポーに新たな舞台を求める決意を固めさせるきっかけとなった。
クルーザー級として常に大柄だったリアクポー(18勝1敗、14KO)は、減量のために何日も食事を抜くこともあったほどで、上の階級であるヘビー級への転向は以前から魅力的に映っていた。 彼は
5月、サウル「カネロ」アルバレス対ウィリアム・スクール戦をメインに据えたリヤド・シーズンの興行でヘビー級デビューを果たし、ストップ勝ちで鮮烈な第一歩を刻んだ。
それから6カ月、35歳となったリアクポーは、新たな階級で再びリングに上がる。今回の相手は、予想外のカードとして話題を呼んだ
トミー・ウェルチ(16勝無敗、9KO)との国内対決だ。ひとつ確かなのは、もしブライトンのアンダードッグに敗れれば、世界ヘビー級王座への道は始まる前に潰えてしまうかもしれないということだ。
新トレーナーのビリー・ネルソンのもとで再出発したリアクポーには、トッテナム・ホットスパー・スタジアムで結果を出すというプレッシャーがのしかかっている。この試合で、彼が世界タイトルにふさわしい実力を持っているのかどうかが明らかになるだろう。
前戦:ビラム=スミスのWBOクルーザー級王座への挑戦で敗れた後、リアクポーはヘビー級へ転向した。新階級でのデビュー戦は、5月3日にリヤドのANBアリーナで行われたケビン・エスピンドラ(9勝9敗、4KO)との一戦だった。
新階級での初戦に向けて約35ポンドの体重を増やしたリアクポーは、アルゼンチンの相手を相手に落ち着いたボクシングを展開し、第4ラウンドでダウンを奪った。ラウンド終了時、相手陣営が試合を止め、リアクポーがストップ勝ちを収めた。この試合は8回戦として組まれていた。
オッズ:ブックメーカー各社はリアクポーを圧倒的な本命に設定しており、多くのサイトでは1/16(=マネーラインで-1600)、中には1/20(=-2000)とするところもある。
勝利への鍵:ウェルチはこれまでリアクポーほどの実力者と対戦したことがない。したがって、ロンドン出身のリアクポーが自身の格の違いを見せつけるかどうかが鍵となる。 リアクポーはカウンターの技術に非常に長けており、その実力は2022年のディオン・ジュマ戦の第4ラウンドでダウンを奪った場面でも示された。ウェルチがフックを狙って踏み込む際には、そのカウンターの餌食になる可能性がある。
リアクポーは、長いリーチを活かした整ったスタイルのボクサーであり、特に新たな体重を得た今では非常に強いパンチを放つ。ウェルチと打ち合いになった場合、相手が踏み込むより先に、真っすぐなパンチで的確に打ち抜く可能性が高い。もしウェルチを追い込む展開になれば、リアクポーのお気に入りのコンビネーションである「右アッパーからの左ボディフック」が炸裂する可能性が高い。その一撃を打ち込むための隙を、自ら作り出していく展開が予想される。
勝利の意味は:リアクポーが群雄割拠の英国ヘビー級戦線において、実力ある新戦力として認められるということだ。 彼はすでに複数の英国ヘビー級ボクサーとの対戦が噂されており、ウェルチに対するインパクトある勝利は、さらに大きな舞台への扉を開くことになるだろう。
ファビオ・ワードリーが示したように、この階級ではほんの数勝で頂点に手が届く。ここでの勝利は、リアクポーにとって2026年を決定づける一年にするだろう。
コメント:「ここへは仕事をしに来た。新階級での野望があり、やりたいこと、成し遂げたいことは分かっている。大きな目標だ。トミーが何を考えているかは分からないが、俺はこいつらをKOして頂点を目指している」とリチャード・リアクポーは「ザ・リング・マガジン」に語った。
TV/配信:DAZN PPV 米国:59.99ドル(東部時間午前11時30分)/英国:24.99ポンド(グリニッジ標準時午後4時30分)
クリス・ユーバンク・ジュニア対コナー・ベンⅡは「Ring:アンフィニッシュド・ビジネス」のメインイベントとして行われ、DAZN PPVで東部時間正午/グリニッジ標準時午後5時からライブ配信される。