【英国マンチェスター】
モーゼス・イタウマは、プロ転向から3年に満たない期間で急成長を遂げてきたが、ここ数か月は、エリート・ヘビー級として求められる忍耐について、20歳の彼に多くを教える時間となった。
イタウマは類いまれな才能を持つティーンエイジャーとしてプロ転向し、早くから
マイク・タイソンの記録を破り、史上最年少のヘビー級世界王者になることを目標に据えていた。
その挑戦は話題作りではなかった。適切な機会が訪れていれば、イタウマ陣営はためらうことなくそれを掴みにいっていたはずだ。
イタウマ(13勝0敗、11KO)は12月28日に21歳を迎えるが、ほぼ避けられない流れとして、歩みはやや落ち着いてきている。
ヘビー級戦線は、統一王者
オレクサンドル・ウシクが自らの輝かしいキャリアをどのように締めくくるかを見極めている間、停滞した状態が続いている。
また、潜在的な対戦相手たちも、イタウマとの試合がいかに危険なものになり得るかを、次第に理解し始めている。
かつては実績のないティーンエイジャーとの対戦を軽視していたファイターたちも、今では見合う報酬を強く求めるようになったり、世界タイトル戦線の状況が整理されるのを待ってからその役目を引き受けようとしたりしている。
イタウマはキャリアのまだ学習段階にあり、2025年はロープの外でこの競技がどのように機能しているのかについて、多くのことを学ぶ一年となった。
「ここ数か月で、ボクシングがどれほどビジネスかを学んだというよりも、この競技にはどれほどビジネス志向の人間が多いのかを実感した、というほうが正確かもしれない」と、イタウマは
『ザ・リング・マガジン』に語った。
「突き詰めれば、ボクシングはやはりスポーツだと思う。ただ、そこから金を稼ごうとするビジネスマンがとても多いというだけのことだ。プロになった当初と比べると、契約も話も増え、煙に巻くようなやり取りがずっと多くなったと感じている。」
オレクサンドル・ウシク、
アンソニー・ジョシュア、
タイソン・フューリーはいまなお世界で最も注目度の高いヘビー級スターであり続けているが、イタウマは広く後継者と見なされている。
本人は、ボクシング界の華やかな階級において、これほど急速に重要な存在へと成長したことについて、特に驚いてはいない。
「いや、前にも言った通り、プロになった時から20歳で世界王者になるつもりだった」と、彼は淡々と語った。「まったく驚いていない。」