ディエゴ・パチェコのプロモーターは、土曜夜に無敗のスーパーミドル級が見せた「脆さ」が、むしろ今後にプラスに働く可能性があると考えている。
アマチュア、プロを通じて初めてダウンを喫したことで、エディ・ハーンは、これまで慎重だった対戦候補たちがパチェコとの対戦に前向きになるかもしれないと見ている。ロサンゼルス出身のパチェコは168ポンド級屈指の実力者へと成長するが、ハーンはこれまで、彼と戦おうとする上位ランカーを見つけるのに苦労してきた。
ケビン・レレ・サジョは、
カリフォルニア州ストックトンのアドベンティスト・ヘルス・アリーナでパチェコに挑むまで無敗である。カメルーン人コンテンダーは、長身で強打のパチェコほどの相手と戦った経験はなかったが、自身のパワーが試合を一層スリリングなものにした。
サジョの左フックが第8ラウンド開始から約45秒でパチェコをダウンさせる。しかしパチェコは立て直し、試合の主導権を取り戻して12回戦を戦い抜き、2者のスコアカードで大差判定勝ちを収める(117-110、116-111、115-112)。
「スタッフにも話していたんだが」とハーンはDAZNのクリス・マニックスに語る。
「時にはダウンを喫することで、それまでこの試合を受けなかった連中が、急にやる気になることがある。特にハムザ・シーラズ、そしてハイメ・ムンギアだ」
パチェコ(25勝0敗、18KO)とハーンの双方は、2026年初戦の
相手としてメキシコのハイメ・ムンギア(45勝2敗、35KO)を最優先候補に挙げる。一方、サウジアラビア総合娯楽庁(GEA)長官で『ザ・リング』誌オーナーのトゥルキ・アル・シェイクは、2月のリヤド・シーズン興行で、イングランドのハムザ・シーラズ(22勝0敗1分、18KO)とパチェコを対戦させることに関心を示す。
次に誰と対戦するにせよ、パチェコはサジョ(26勝1敗、23KO)を下した今回以上の内容を見せる必要があると、ハーンは認める。マッチルーム・ボクシング会長はまた、『ザ・リング』誌スーパーミドル級5位のパチェコが、今年トップクラスの相手を迎えて3度目の12回戦・判定勝利を挙げた中で得た教訓を、今後に生かすと見ている。
「正直に言うと、土曜の夜は多くのチェック項目をクリアした」とハーンはパチェコのパフォーマンスを振り返る。
「彼は24歳だ。ケビン・サジョと戦いたがる選手はいない。あれは悪夢のような相手だ。見ただろう。ダウンを喫しながら立て直し、終盤にはサジョを止めかけた。あの経験から多くを学ぶはずだ。もっと良くなれると思うし、本人もそれは分かっている。ただ、時にはああいう夜を経験して、乗り越えなければならない時もある」
「そして、能力も心も一段落ちる選手なら、今夜は負けていたはずだ。しかし24歳にして、彼は168ポンド級の未来を担う存在の一人であることを固めた。本人の言う通り、今こそビッグファイトが必要だ。スティーブ・ネルソン、トレバー・マッカンビー、ケビン・サジョと倒してきた。次にどこへ行く?」
Keith Idec は『ザ・リング』のシニアライター兼コラムニストである。Xでは@idecboxing。