ニューヨーク──
ハムザ・シェラーズの目には、カネロ・アルバレス対エドガー・ベルランガ戦は、ベルランガが語るものとはまるで違って映っていた。
ベルランガは、自分がアルバレスの顔を腫れ上がらせた接戦だったと誇らしげに語っているが、シェラーズの記憶に残るのは、第3ラウンドに
アルバレスに倒された後、極めて慎重な姿勢で臨んだ挑戦者の姿である。2024年9月14日、ラスベガスのT-Mobileアリーナで行われた試合では、メキシコ出身のアルバレスが、ブルックリン出身のベルランガに対して、3人のジャッジすべてが大差のスコアをつけ、The Ring、WBA、WBC、WBOのスーパーミドル級タイトルを防衛した。
イングランド出身のシェラーズ(21勝0敗1分、17KO)は、7月12日にベルランガとの試合を控えており、8か月前に行われたベルランガのキャリア最大の試合の記憶について、手厳しく評した。
「彼はカネロを尊敬しすぎた」とシェラーズは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「それが事実だ。本当の話だ。腕がどうとか言い訳してたけど、結局のところ、彼はカネロを敬いすぎていた。カネロに倒されたときに、彼はあのパワーを感じたんだろうな。そういうタイプの人間は……『空き缶ほど音が大きい』って言葉があるだろ? まさにそれさ。中身がないってことだ。」
「もし中身がある真の戦士なら、立ち上がってカネロと真っ向勝負を挑んでいたはずだ。ボクシングじゃなく、ぶつかり合いにいったはずだろ? でも、彼がやったのはそうじゃない。多くの選手がカネロ相手にそうなる。でも、それがどれほど難しいことかも分かってる。実際にリングに立てば話は別だからな。とはいえ、カネロみたいな相手と戦うなら、例え倒れても全力を尽くすべきなんだよ。」と続けた。
アルバレスの左フックは、試合の第3ラウンドが始まって1分4秒のところでベルランガをノックダウンさせた。ベルランガはレフェリーのハーヴィー・ドックが5まで数える前に立ち上がった。
アルバレスはすぐさま試合を決めにかかったが、ベルランガ(23勝1敗、18KO)はその左フックで深刻なダメージを負っていたわけではなかった。ベルランガはその後、アルバレスと打ち合い、簡単には引き下がらないという姿勢を見せた。
それでもアルバレス(63勝2敗2分、39KO)は、ジャッジのマックス・デ・ルカとスティーブ・ワイスフェルドからそれぞれ118対109のスコアを得て10ラウンドを取っており、デビッド・サザーランドはベルランガに3ラウンドを与えたが、それでも117対110でアルバレスの勝利だった。
「奴は『真っ向勝負だった』とか言ってるけど、証拠はある。YouTubeで試合を見たが、そんな真っ向勝負はなかった」とシェラーズはベルランガについて述べた。「確かにベルランガも何発か良いパンチを当ててたけど、ボクシングってそういうもんだろ? でもな、別に奴のことを貶したいわけじゃない。ファイターとしては悪くない。いい選手だと思うよ。でも、カネロ戦の記憶に関しては、完全に妄想の域だな。」
27歳のベルランガは、ドラフトキングスによれば、7月12日に
クイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで開催される『RingIII』のペイ・パー・ビューイベントで、スーパーミドル級12回戦においてシェラーズとの対戦でわずかに有利と見られている。25歳のシェラーズにとっては、スーパーミドル級デビュー戦となり、The Ringではベルランガを同級9位にランク付けしている。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@
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