ファビオ・ワードリーは、複数の世界タイトルが懸かる状況にならない限り、同じジムに所属するヘビー級コンテンダー、
モーゼス・イタウマとの対戦を除外している。
イプスウィッチ出身の30歳は、6月に
ジャスティス・フニを相手に劇的な強奪勝利を収めたことで、現在WBA暫定王者の座に就いている。
その勝利の報酬として、10月25日にロンドンのO2アリーナで
ジョセフ・パーカーとの最終挑戦者決定戦に臨むことになり、勝者は2026年に統一ヘビー級王者
オレクサンデル・ウシクへの挑戦へと進む予定だ。
ワードリーを現在指導しているのはベン・デイヴィソンであり、そのジムにはイタウマも所属している。イタウマはおそらく世界で最も注目される20歳の一人だ。
しかしワードリー(19勝0敗1分, 18KO)とイタウマ(13勝0敗, 11KO)が勝ち続けるにつれ、ジムの中の「見て見ぬふりできない問題」はますます大きくなっている。この2人のヘビー級は、いずれ必ず対戦せざるを得ないのではないか。
「すぐにということはないと思う」とワードリーは
「ザ・リング・マガジン」のインタビューで語った。「正直に言えば、俺はまだ世界タイトルを手に入れる必要があるし、彼も同じだ」
「そのうえで、さらに残り2本のベルトを取りに行かなければならない。だから、すべてが整理されてからの話になるかもしれない」
「でもそれはすぐの話じゃなく、だいぶ先のことだ。今は対立点にはなっていない」
Ringで6位にランクされているワードリーは、パーカーに勝利すれば一気に挑戦者の最前列へと駆け上がることができる。一方、サウスポーのイタウマもその背後に迫っている。Ringで9位に位置するイタウマは、WBOとWBAで1位にランクされており、WBC(4位)とIBF(5位)ではやや下の評価となっている。
両者の関係についてワードリーはこう付け加えた。「俺にとっても彼にとっても、そしてベンやジムにとってもプラスだ。同じ場所でトレーニングして、ベンがこのような素晴らしいファイターを育てているのは良いことなんだ。俺たちはこの階級を勝ち上がりながら進んでいて、勝利と世界タイトルを積み重ねている」
「それは大きなプラスだ。否定的に捉えるものじゃない。人々が俺と彼の名前を常に並べて語ること自体、俺たちにとっての評価なんだ」
しかし、ワードリーは今年イギリス国内で最大級のヘビー級戦の一つとなるパーカーとの一戦が、BBCで放送されるボクサー社の初興行と重なることについてはあまり前向きではなかった。
同じ夜、ダービーではフレイザー・クラークとジェイミーTKVが、かつてワードリーが保持していた英国ヘビー級王座をかけてBBC Twoの生中継で対戦する。
2つのメインイベントが直接的にぶつかることはないと見られているが、ワードリーはボクサーのプロモーターであるベン・シャロームがDAZNでの試合と同日に興行をぶつけたことを「愚かな判断」と評した。
ワードリーはこう語った。「もちろん理想的ではない。ボクサーにとっても、ボクシングファンや一般の人々にとっても、こうした興行のぶつかり合いは少しイライラするものだ。ファンは腰を据えて一つの大会を最初から最後まで見たいんだ。少し厄介ではあるけど、仕方ないことだ」
「それについていつまでもくよくよしたり泣き言を言ったりするつもりはない。ただ、ベンやボクサーが初めての興行を、しかもかなり急なタイミングで俺たちの大会とぶつけてきたのは少し愚かな判断だと思う。でも、それは彼らの選択だ」