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エリー・スコトニー、新たな居場所を見つけて:「MVPは私に物語を書くチャンスをくれた。そうできたと思う」
特集インタビュー
John Evans
John Evans
RingMagazine.com
エリー・スコトニー、新たな居場所を見つけて:「MVPは私に物語を書くチャンスをくれた。そうできたと思う」
ニューヨークは、成功するには厳しい街である。

華やかなライトや魅力の裏側には、多忙で勤勉な人々が暮らしており、実力の伴わない称賛を与えるようなことはない。

評判よりも行動が物を言うこの街は、統一世界王者で『The Ring』誌認定ジュニアフェザー級王者であるエリー・スコトニーにとって、再出発にふさわしい場所だった。

「それってまさに、私の育った環境そのもの」とスコトニー(11勝0敗)は『ザ・リング・マガジン』に語った。

「私がどこから来たかってこと。私たちって、そういう地に足の着いた人間なんです。だからそれを背負っている限り、私は自分の足元を見失わないって確信してる。先を見過ぎたり、過去に引きずられたりせず、今この瞬間にあるべき姿でいたいんです」

先週末、スコトニーはマディソン・スクエア・ガーデンで行われた試合で、長年WBC王座を保持してきたメキシコのヤミレス・メルカドを圧倒。10回戦の判定で勝利を収め、自身が保持していたIBF、WBO、そして『The Ring』の王座に、WBCの“緑と金のベルト”を加える快挙を達成した。

ケイティ・テイラー対アマンダ・セラノによる三度目の対決がメインを飾った「Most Valuable Promotions」のイベントには、『世界で最も有名なアリーナ』に満員の観客が詰めかけ、Netflixでは約600万人が視聴した。

多くの視聴者にとって、ロンドン出身で27歳のスコトニーは初めて目にする選手だったかもしれないが、次回も観たいと思わせる存在感を放った。

MVP所属としての初登場は、これ以上ない形で幕を開けた。

「まさに“さあエリー、望んでいた舞台もアリーナも試合も全部あげるよ”って感じでした。私はずっとこの試合を望んでいたんです。ケイティとアマンダの試合カードに出たいって、初戦の頃からずっと思っていたし、ニューヨークで試合がしたかった」と彼女は語った。

「一番大きな舞台が欲しかった。そしてそれをすべて手に入れました。全てが決まった瞬間から、あとは私次第だって分かっていましたし、それがすごく嬉しかったんです」

ファイトウィーク初日のスコトニーの姿は、兄たちと一緒に街を歩く姿だった。


「まるで自宅にいるような感覚だった」とスコトニー。

その感覚は、キャリア最大の一戦が近づいても変わらなかった。アメリカに到着しても、型どおりの振る舞いや決まり文句を口にするのではなく、彼女は常に「自然体の自分」でいた。

MVPが最初に契約への関心を示した時点から、彼らはスコトニーに対し、「一人の選手」ではなく「一人の人間」として投資するのだと確約していた。その言葉は、彼女が何か役割を演じる必要がないという確信につながった。そのため、ファイトウィークで初めてまったく新しいチームの中に身を置いたにもかかわらず、スコトニーはホテルにチェックインした瞬間からまるで自宅にいるかのように自然に過ごすことができた。

試合後の日々は、まさに目まぐるしいものであった。

「全部が本当に“普通”に感じたんです」と彼女は語る。「本当に変だった。飛行機に乗ったことも、時差も忘れてた感じで。あまりにも落ち着きすぎていて、逆に変な気分になるくらい」

「今もまだその穏やかさを感じてるんです。『これ、いつ変わるのかな?』って思うくらい」

「母に言ったんです。『今の私は、やっと“自分”を分かってる気がする』って。信仰の中で成長してきた今、私は自分が誰で、どこから明確さを得るのか、はっきり分かってる。ただの“私”でいられるんです。もう誰かに寄りかかる必要もない」

「落ち着いていられるのは、すべてが神のタイミングと導きで進んでいるって分かっているから。だからこそ、今の自分と自分の居場所に心から満足してるんです」

セレモニアル・ウェイイン(公式計量イベント)が終わった後、スコトニーは食事を部屋に持ち帰った。

スマホをテレビに接続するのを諦め、翌日の帰国便の荷造りの合間に、『フォレスト・ガンプ』の再放送をなんとなく流しながら、すぐ近くにあるマディソン・スクエア・ガーデンをぼんやりと眺めていた。

試合前、緊張や戦いについての話はなかった。ただ、与えられた舞台に対する興奮からくる笑い声が時折あがるだけだった。

スコトニーは迷信深いタイプではないが、「これは運命だ」と感じる瞬間を大事にする。アメリカ行きの空港へ向かう途中、彼女は「Unified Business(統一されたビジネス)」という広告の下を通り、さらに別の看板には「超音速(Supersonic)」という言葉があった。これは彼女のリングウォーク曲のタイトルと同じだった。

試合直前には、彼女の憧れのバンタム級の名王者オーランド・カニザレスが、「お気に入りの女子ボクサー、エリー・スコトニーの試合が楽しみだ」と投稿していたという通知も届いた。


全てが噛み合っていた。

「驚きました。だって、これだけの状況なのに、私は圧倒されなかったんです。普通ならそうなってもおかしくないのに」と彼女は言った。

「唯一、鳥肌が立ったのはアマンダケイティがリングウォークしていた時。弟のマイケルに『信じられないよ。私、ここでボクシングしてるんだよ』って言ったの」

「人は考えすぎて自分にプレッシャーをかけすぎることがあるけど、私もその傾向がある。でも今回は一歩引いて『エリー、あなたはこれが好きなんだよね。しかもその上、マディソン・スクエア・ガーデンでやってる。世界中がそれを見ているんだよ』って思ったの」

「それを思い出したとき、一番大事なのは“楽しむこと”だって分かった。たぶん、あんなふうにその気持ちを持ってリングに上がったのは初めてで、一番落ち着いていた。でも不思議だよね、楽しもうって思ってる時こそ、こんなに落ち着いていられるなんて」

スコトニーが落ち着いていた一方で、母のエイプリルは全くそうではなかった。彼女は毎回そうしているように、ロンドンから飛んでリングサイドに駆けつけていた。

「母が『どうやって乗り越えたのか分からない』って言ってたの。妹が、ゴングの前に母をちょっと揺さぶって目を覚まさせなきゃいけなかったらしくて(笑)」

「面白かったのは、母たちがケイティの母親と並んで座ってたことで、試合後にケイティのお母さんが私に『ケイティの試合を見てても私も結構ひどいけど、あなたのお母さんは顔が真っ白になってたわよ』って言ったの」

エイプリルはスコトニーの最大のファンでありながら、普段は最も厳しい批評家でもある。しかし今回は、珍しく非の打ち所がなかったようだ。

「分かる? 今回の試合はたぶん、母が『エリー、やったね』って初めて言ってくれた試合だったと思う」とスコトニーは語った。

「母は何度試合を見返したか分からないくらい、ずっと笑ってる」

スコトニーは、これまでも技術的な評価を受けてきたが、一般のファンはプロモーションビデオや記者会見での短い姿しか見たことがなく、試合以外の彼女を知る機会は限られていた。彼女は相手を名指しで挑発したり、大声を上げるようなタイプではないため、メディアの目から外れがちだった。

ボクシングの外で彼女を知る人々は、ファン人気を得るために何十万ポンドもの資金と膨大な時間が投入されるこの時代に、彼女のように自然に人々を惹きつける才能を持つ選手に、もっと創造的なアプローチがなされなかったことに驚いている。

今回の試合を経て、スコトニーはその実力だけでなく、ファイトウィーク中の振る舞いやメディア対応を通して、MVPが彼女に対して「スター性あり」と確信するきっかけを与えたようだ。

MVPがこの5年間ずっと明らかであるべきだったことに気づくのにかかった時間は、わずか3カ月に過ぎなかった。

スコトニーは、故郷キャットフォードから3500マイルも離れていたが――少なくともボクシングにおいては、ようやく自分の「居場所」を見つけたようである。


「それこそが真実だと思う」とスコトニーは語った。

「MVPが私を売り出したとき、“私をこういう存在に育てられる”っていうビジョンを持ってくれていた。それが、神のご加護があれば実現できる道なんだと思う」

「でも私は、彼らに対して『私がどんな選手なのか』をちゃんと示しただけじゃなくて、『もうすでに知っていて然るべきだった人たち』にも再認識させられたと思ってる」

「“いい選手”って言われるのは嬉しいことだけど、“人として評価される”って、もっと重みがあると思う。母もそこを誇りに感じてくれてると思う。私がそれを伝えられたってことをね」

「MVPはまさに真っ白な一枚のページを渡してくれて、『エリー、自分の物語を書いて』って言ってくれた。そして私は、まさにその通りのことをしたって感じてる」

「ただありのままの私でいて、それをボクシングで、そしてその振る舞いの中で伝えられたと思う」

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