エリー・スコットニーは、今回のような瞬間をあまりにも長く待ち望んできたため、金曜日にマディソン・スクエア・ガーデンで行われるヤミレト・メルカドとの王座統一戦がドッキリではないかと今でも誰かに言われるのではないかと思っている。
現在27歳のスコットニーは、『The Ring』誌の女子スーパーバンタム級王者であり、WBOおよびIBFのタイトルも保持している。ニューヨークでWBC王者メルカドと対戦する今試合は、彼女がMVPとの
新契約を締結してからの初陣となる。
ケイティ・テイラーとアマンダ・セラノの三度目の対戦がメインイベントとして控えており、女子ボクシング史上最も重要な興行のひとつとなるこの大会に、自身が関わっているという事実をスコットニーはいまだに信じられずにいる。
「今でもふざけて『きっとそのうち電話がかかってきて、…』なんて言っているんです」とスコットニーは
『ザ・リング・マガジン』に語った。
「電話の向こうの人が『これは本当に起こってることじゃないよ。本当はIndigo at the O2で試合をするんだよ。それも興行の中盤あたりに組まれてる』って言うんじゃないかって。」
「だって、自分の夢の試合、夢の会場、メインイベントが誰かまで含めて、自分で理想を紙に書いたら、まさにこの通りになるんですから。」
「こういう瞬間のために私たちは待ち続けているんです。そして、私はずっと願い続けて、扉を叩き続けてきました。ようやくその扉が開かれた今、私は覚悟を決めて歩き出さなければなりません。」
スコットニーはプロ5年目で現在10戦無敗。キャリアはコロナ禍にエディ・ハーンとマッチルームの下で始まった。
そのため、彼女のプロ初戦と2戦目は、ロックダウン下のバブル環境で行われた。ちょうどその頃、コロナ禍によって女子ボクシングはかつてない人気の高まりを見せていた。チケット収入を見込めなかったプロモーターたちは、内容の薄い男子の試合に比べ、遥かに少ないコストでハイレベルな女子の試合を実現できることに気づいたのである。パンデミックにより外出を控えた視聴者たちは、それをこぞって楽しんだ。
スコットニーは、ここ数年でその人気が確実に衰えてきていることに気づいたチャンピオンの一人である。しかし、金曜夜の大会が女子ボクシングの認知度と注目度を再び押し上げるために必要不可欠な起爆剤になると信じている。
「ロックダウンの時期は、ある意味で恵みでした。みんな家に閉じこもっていて、それまで女子ボクシングを見なかったような人たちも見てくれた。プロモーターも私たちを安価で起用できたし、試合も盛り上がっていたんです。」
「その波に乗っていたけれど、時間が経つにつれてチャンスが減っていった選手も多いです。
だからこそ、アマンダ・セラノやケイティ・テイラーのような選手が道を切り開いてくれているのです。MVPは女子ボクシングに明確な姿勢を示していて、それははっきりと見て取れます。今ではどんどん女性選手が契約されていて、将来的には女子選手全員が同じ団体に所属するのも不思議ではないと思います。」
とはいえ、スコットニーにとってMVPでの初陣となる今回の試合は、経験豊富なメルカドを相手にしたまさに「火の洗礼」と言える一戦である。メルカドは金曜夜に行われるこの試合が自身12度目の世界タイトル戦となる。
スコットニーとメルカドは同じ1998年3月16日生まれだが、メルカドはすでにプロで17試合多く経験しており、スコットニーよりも100ラウンド以上多く戦っている。
「彼女のことはずっと前から見ていました。私が初めて世界王座を狙った時にもオファーを出した相手なんです」とスコットニーは語る。
「彼女は独特なスタイルを持っていて、他の対戦相手にはない動きをします。それをどう攻略するかは私次第です。」
「彼女はフェザー級でアマンダ・セラノと戦ったこともあり、経験豊富な選手です。王者としてリングに上がるというのも、また違った脅威になります。」
「私がその挑戦に応えて、答えを見つけ出さなければなりません。」