エドガー・ベルランガは、自信を見せる相手に腹を立てるようなタイプではない。ニューヨーク出身の彼自身も、ときおり自信満々に胸を叩く姿が見られる。ただし、うぬぼれには苛立ちを感じるという。
ハムザ・シーラズはミドル級の世界王者になるチャンスを逃した。カーロス・アダメスとのスプリット判定ドローの後、再戦に向けて動くこともできたが、彼は体重計を見下ろしてため息をついた。160ポンドのリミットをつくるのは、イギリス出身の彼にとって常に厳しい課題だった。そのため、再び過酷な減量に挑むのではなく、階級を上げてベルランガと戦う道を選んだ。
7月12日にニューヨークでの対戦が発表されたその瞬間から、シーラズの足取りには新たな勢いが生まれ、目には挑戦的な光が宿っていた。両者が正式に顔を合わせた際、ベルランガはその変化に気付き、激しい言葉の応酬へと発展した。27歳のベルランガはその後、冷静さを取り戻し、なぜシーラズに苛立ちを覚えたのかを説明した。
「ここは俺の街だ」とベルランガはザ・リング・マガジンに語った。「あいつはよそ者だ。ここには全く別のエネルギーがある。」
ベルランガには最終的な目標がある。それは
カネロ・アルバレスとの再戦だ。両者は昨年9月に初対決し、王者であるカネロが大差の判定勝ちを収めた。
最終的にはその再戦を実現させたいと考えているベルランガだが、今はシーラズとの試合に集中している。
もちろん勝利が最優先だが、注目を集めるには内容も重要だ。最近のジョナサン・ゴンザレス=オルティス戦では1ラウンドKO勝利を収めたが、内容にはさまざまな批判が寄せられた。しかしベルランガはそのように受け取っていない。彼にとっては「汚れた勝利」と見なされるかもしれないその一戦を、今後に活かすつもりだ。そして同じような勝ち方をシーラズ相手にも狙っている。
「俺があいつをノックアウトする」