エディ・ハーンは、土曜夜フィラデルフィアで行う
ウィスマ・リマ戦で2分間の破壊劇を見せたジャロン“ブーツ”エニスを、「1秒あたりの報酬がボクシング界で最も高い男」と半ば冗談交じりに称する。
エニスのプロモーターであるハーンは、エニスが簡単にリマを片付けた後、「割引してほしい」と冗談を飛ばしたが、28歳のエニスが「自分はそれだけの報酬を受け取るに値する」と言い返すと、ハーンは笑い飛ばした。
しかし、試合後の会見でダナ・ホワイトの名前が出ると、マッチルーム・ボクシング会長ハーンの表情は一変し、真剣な口調に変わる。UFCの社長兼CEOであるホワイトが立ち上げた
新たなプロモーション会社「ズッファ・ボクシング」とは一切関わりたくないと明言する。
「俺たちは“本物のボクシング”をやる」とハーンは言う。「本気で言う。リングを変えたくないし、モハメド・アリ法を変えたくもない。俺たちは常にオープンな形で仕事をする。ブーツや(エニスのアドバイザーである)エベレット・マクニリーとチームと一緒に。ショーの収益を隠すつもりもない。彼らにはすべて見えるようにしている。ブーツはたくさん稼いでいるし、それに見合うスターなんだ。」
ハーンは、ズッファ・ボクシングがボクシング界で導入しようとしている経済モデルに対して批判的な姿勢を取り続けている。UFCの標準的なシステムはボクシングには適していないと考えるからだ。イギリス人プロモーターのハーンは、ズッファ・ボクシングが自社イベントで独自のベルトを授与する計画を立てているにもかかわらず、「ボクシング界にはこれ以上タイトルは必要ない」とも主張する。
パラマウント社は9月29日に発表を行い、来年1月から長期契約の一環として
「パラマウント+」で月1回のズッファ・ボクシング興行を配信することを明らかにした。さらに、同社が所有するCBSが、将来的にアメリカ国内でズッファ・ボクシングのイベントを地上波放送する可能性もあるという。
ハーンは、ズッファ・ボクシングのやり方に対して一貫して強い反対意見を示している。
「ボクシングでは、ショーの収益の大部分がファイターに渡る」とハーンは言う。「だがMMAでは、ショーの収益の大部分がプロモーターに入る。ダナ・ホワイトに幸運を祈るよ、文句を言うつもりはない。でも、それがボクシングのやり方ではない。俺は偽物のベルトには興味がないし、モハメド・アリ法を変える気もない。リングの形やルールを変えるつもりもない。」
「俺が関心を持つのは、ボクシングというスポーツの偉大さなんだ。そして、ここにいる(エニス)はまさにその偉大さを体現する存在だ。ブーツのようなファイターが、ハグラー、ハーンズ、ウィテカーといった偉大な世代の一人として名を刻む姿を見たい。彼は彼らと同等の才能を持っている。俺たちのベルトには価値があるんだ。」
Keith Idecは『ザ・リング』誌の上級ライター兼コラムニストである。X(旧Twitter)では@
idecboxingで彼に連絡できる。