誰にでも悪い日はある。オフィスでの仕事でも、日常生活の中でも、そしてもちろんボクシングのリングでも。しかし、
シャクール・スティーブンソンに関しては、その常識は当てはまらないようだ。
彼の戦績を見たり、過去の試合映像を観たりすればわかるように、スティーブンソンはラウンド単位でも苦戦することがほとんどない。判定勝ちで余裕を持って試合を終えるのが彼のスタイルだが、
ウィリアム・セペダはその流れを変えようと、試合のペースを上げてスティーブンソンを不快な状況に追い込もうとしている。
シャクール・スティーブンソンとウィリアム・セペダの対戦が正式に決定し、両者は7月、ニューヨーク・クイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで開催される『ザ・リング』主催の興行で拳を交える。
スティーブンソンにとっては、トップレベルのライト級選手と戦う絶好のチャンスとなる。すべての人がそう思っているわけではないが、ボクシング界の一部では、スティーブンソンがこの試合で苦戦すると見る声もある。しかし、エディ・ハーンはそうした意見に対して、信じられないといった表情を浮かべて首をかしげる。簡単に言えば、スティーブンソン(23勝無敗、11KO)は並外れた才能の持ち主であり、ハイレベルな相手と対戦することで、その実力はさらに引き出されるという。
「最高の相手に対してこそ、最高のシャクール・スティーブンソンが見られると思っている」とハーンは記者団に語った。「並外れた才能とリングIQを持つ選手は、より強い相手と戦うときこそ、本当の力を発揮するものなんだ。」
ハーンはボクシング界に長年身を置いており、この競技に対する情熱は家業としても深く根付いている。そんな彼は、現役王者から殿堂入り選手まで、現代の名選手たちを数多く間近で見てきた。
その中でスティーブンソンは、そうした偉大な選手たちと共通点を持ちながらも、少し違うとハーンは感じている。
このスムーズな動きのサウスポーが、歴代のほぼすべての選手と一線を画している点――それは、表に出ない場面で流してきた血と汗の量だ。
「彼を倒せる選手は誰もいないと思う。“タンク”(ジャーボンタ・デイビス)も含めてね」とハーンは続けた。「135ポンドにはいないよ。シャクール・スティーブンソンほど努力する選手には、今まで会ったことがない。彼はジムに住んでいるようなものだ。」