ジェイク・ポールは、2020年にボクシング界に足を踏み入れて以来、多くの人々の神経を逆なでしてきた存在である。

元YouTuberからクルーザー級の端境的なコンテンダーへと転身したポールは、これまでに複数の元MMAファイターや引退したNBA選手と対戦してきた。また、全盛期を過ぎたプロボクサーとの試合もいくつか挟んできた。

いまだ全盛期の世界王者クラスと対戦したことはないものの、ポール（12勝1敗、7KO）は「世界最高峰のファイターたちにも勝てる」と繰り返し豪語してきた。そして今週金曜夜、ついにその一人と対峙することになる。マイアミのカセヤ・センターから、Netflix配信のメインイベントでアンソニー・ジョシュアと拳を交える。

ジョシュアの長年のプロモーターであるエディ・ハーンは、この両者が同じリングに立つ瞬間を待ちきれない様子だ。長年にわたりポールの誇大な自己主張を聞かされてきたハーンは、今回ばかりはジョシュアが“皆の代わりに一仕事してくれる”と確信している。

「ボクシング界は心配する必要がない。ちゃんと守られている」と、ハーンは笑顔で複数の記者に語った。「金曜には、彼は自分にふさわしい結果を受け取ることになる。我々がきっちり片を付ける」

当初、ジョシュア（28勝4敗、25KO）は今年を休養に充てるかのようにも見えた。36歳の元統一ヘビー級王者は、2024年9月にダニエル・デュボアに5回TKO負けを喫して以来、表舞台から遠ざかっていたからである。

しかし、ジャーボンテイ・デイビスが元交際相手からの加重暴行および誘拐の訴えを含む民事訴訟の影響でポール戦から外れると、代役として白羽の矢が立ったのがジョシュアだった。2012年ロンドン五輪金メダリストであるジョシュアは大本命とされているが、ポールはフリオ・セサール・チャベス・ジュニアやマイク・タイソンといった全盛期を過ぎたボクサーたちに勝利してきたことで、自信を深めている。

ジョシュアのブランクや、ポールの最近の試合内容は、ハーンにとって不安材料にはなっていない。彼の見立てでは、この試合の結末は一つしかない。

「彼が運よく生き残る唯一の道は、クリーンヒットをもらわないことだ」とハーンは結論づけた。「半分でももらえばノックアウトされるだろうが、それでもまだマシだ。完全に当たれば、大変なことになる」