ディエゴ・パチェコは、7月12日の夜、エドガー・ベルランガを打ち砕くのは本来なら自分であるべきだった――そう考えずにはいられなかった。

パチェコは常にベルランガとの対戦に前向きだったが、その試合が実現に向けて真剣に動いていると感じたことはなかった。そんな中、ハムザ・シェラーズが派手なノックアウトであのブルックリン出身の大口選手を沈めたことで、パチェコは急速に台頭するこのスター候補との対戦に目を向けるようになった。

「シェラーズはベルランガを素晴らしい形で倒したことで、ここアメリカで一気に注目を集めた」とパチェコはザ・リングに語った。「だから、アメリカでも、サウジでも、あるいは英国でも、彼との試合はかなり大きなイベントになるはずだ。正直に言って、今のこの階級で最高のカードの一つになると思っている。」

ロサンゼルス出身のパチェコ（24勝0敗、18KO）はまず、12月某日にカリフォルニア州ストックトンのアドベンティスト・ヘルス・アリーナで行われるDAZN中継の12回戦メインイベントで、カメルーン人コンテンダーのケビン・レレ・サッジョ（26勝0敗、23KO）を攻略しなければならない。パチェコ対サッジョのアンダーカード本編は、東部時間午後8時（太平洋時間午後5時）開始予定だ。

英国のシェラーズ（22勝0敗1分、18KO）は次戦が決まっていないが、無敗の4団体統一スーパーミドル級王者テレンス・クロフォードの次の挑戦者候補としては、パチェコもシェラーズも現状は名前が挙がっていない。

しかしシェラーズはWBOのランキングで2位に位置し、その1つ下の3位にパチェコがつけている。WBO1位のカネロ・アルバレスは、9月13日にラスベガスのアレジアント・スタジアムでクロフォードにユナニマスデシジョンで敗れた後、即時再戦に興味を示している。

もしWBO世界168ポンド王座が空位になれば、ランキングを維持していることを前提に、シェラーズとパチェコが王座決定戦を命じられる可能性がある。

24歳のパチェコは、ザ・リングのスーパーミドル級トップ10で5位にランクされている。26歳のシェラーズは8位だ。

パチェコは、ベルランガ（23勝2敗、18KO）戦でのシェラーズの圧巻のパフォーマンスを称賛した。シェラーズは4回にベルランガから2度のダウンを奪い、5回序盤にストップ勝利を挙げた。この試合は、ニューヨーク・クイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで行われた『The Ring IV』のメインイベントとして実施された。

「正直に言うと、最初に思ったのは『本来ならあれは俺だったはずだ』ということだ。ベルランガがそこまで特別な存在じゃないことはわかっていたし、実力者と当たれば時間の問題だと思っていた。実際、その通りだった。だから最初は『俺が倒す相手だったのに』と感じた。でも、起きてしまったことは仕方がない。あの後すぐに、『次はシェラーズだ』と気持ちを切り替えた。今、自分が追いかけたい相手はシェラーズだ。」

ザ・リングのシニアライター兼コラムニスト、Keith Idec（X: @idecboxing）まで連絡可能。