今の
ブライアン・ノーマン・ジュニアは、もはや判定に頼るつもりはない。
ここ最近の3試合──彼のキャリアにおいて最も重要な舞台──で、ノーマンは対戦相手をいずれも激しく仕留めてきた。6月19日に行われた試合では、彼の相手である佐々木尽が
東京の大田区総合体育館での試合後、担架で搬送される結果となった。
しかし、デビン・ヘイニーの見立てでは、ノーマンの実力はこれまで彼自身が対戦してきた相手たちと比べても、比較に値しないという。
「この世界にはレベルの違いがあるってことを教えてやるよ」とヘイニーは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「お前はよくやったが、ここはまったく別次元なんだ」
ノーマン(28勝0敗、22KO)は、
11月22日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで、WBOウェルター級王座をかけてヘイニーと対戦する予定である。そして、彼は対戦相手を病院送りにすると豪語している。だが、その“脅し”に対し、ヘイニーはただ笑ってみせた。
ビッグマッチを前にした挑発や威嚇など、元2階級制覇王者の彼にとっては今さら珍しいことではない。たとえば、ホセ・ラミレスとの試合前にも、ラミレスが拳を打ち鳴らして同じように威勢のいいことを言っていた。しかし、 5月2日にニューヨーク・タイムズスクエアで両者が拳を交えたとき、ラミレスはまともにヘイニーに触れることすらできなかった。ヘイニー(32勝0敗、15KO)は
冷静にボクシングを展開し、ステップを踏み、巧みに動いてユナニマス・デシジョン(3-0の判定)で勝利を収めた。
ヘイニーはあまり自慢を好まない──いや、少しはするかもしれない。だが重要なのは、彼が声高に自己主張しなくても、これまで対戦してきた元世界王者たちの顔ぶれを見れば十分に証明されるということだ。
「ノーマンは良いパフォーマンスをしてきたとは思うよ、でも誰も知らないような相手ばかりだ」とヘイニーは続ける。「彼の戦績に載ってる選手で、一人も知ってる名前がいない」