ディリアン・ホワイトを友人と呼ぶのは、おそらくデレック・チゾラにとっては少々大げさだろう。
だが、それはチゾラが彼に不幸を望んでいるという意味ではない。
元ライバルが
モーゼス・イタウマとの試合を受け入れたと発表されたとき、
チゾラはその意味を理解できなかった。両者には17歳の年齢差があり、チゾラにはそれが
ホワイトにとっての「負けるしかない状況」に見えた。
それでも37歳のホワイトはチゾラの警告に耳を貸さなかった。振り返ってみれば、彼はその助言に従うべきだったのかもしれない。
2度にわたってホワイトに敗れてきたチゾラは、自分が目にしているものを信じられなかった。互いに決して好意的な関係ではなかったものの、彼は物事があのような形で進むことを望んではいなかった。
チゾラは試合直後、ザ・リング・マガジンに「ディリアンがあのような形で去らなければならなかったのは、本当に悲しい」と語った。
ホワイトの将来はこれまで以上に不透明になった。一方で、イタウマの未来は限りなく明るい。
20歳のコンテンダーは、WBOで1位にランクされているのを含め、主要4団体すべてでトップ12に名を連ねている。年齢にもかかわらず、
イタウマの名前は統一ヘビー級王者オレクサンドル・ウシクの現実的な対戦相手として取り沙汰されている。
それでもイタウマ陣営は、そこまで手強くない相手との対戦案を浮上させている。
イタウマ(13戦13勝、11KO)がどうするにせよ、チゾラはリング外から見守ることになる。
一方ホワイトは、再び戦う決断を下す可能性もある。ベテランとして、彼には好きなように振る舞えるだけの実績がある。
彼がキャリアを終えるにせよ続けるにせよ、キャンバスに倒れ込んだ姿の記憶はチゾラの脳裏に消えずに残っている。
チゾラは「本当に悲しい光景だった。とても悲しかった」と語った。