たとえ
ハムザ・シェラーズのファンでなかったとしても、今回ばかりは彼を称賛せざるを得なかっただろう。
先週土曜夜、DAZNペイ・パー・ビューで放送されたザ・リング主催のルイ・アームストロング・スタジアムでの一戦で、
シェラーズ(22勝0敗1分、18KO)はエドガー・ベルランガを圧倒した。ベルランガは血まみれとなり、最終的に5回でストップされた。
この試合でのパフォーマンスは当然ながら多くの人々から称賛された。しかし、
デメトリアス・アンドラーデは、シェラーズの自信が過剰になりすぎるのを警戒している。彼の見解では、ベルランガはもともと自分で言っていたほどの選手ではなかったという。
もしその夜、リングに立っていたのが自分だったなら、話はまったく違っていただろう。
「彼はなかなか良く見えたけど、エドガーがエリートレベルのファイターじゃないのは誰もが分かってる」とアンドラーデは最近
『ザ・リング・マガジン』に語った。「みんな分かってることだよ。俺はエドガーよりはるかに多くのものを持っている。俺は2階級制覇王者だからな。」
アンドラーデが最後にリングをくぐったのは、もうしばらく前のことだ。だが、その夜は彼にとって忘れたい一戦となった。
2023年11月25日、元オリンピアンで複数階級王者のアンドラーデは、デビッド・ベナビデスとの試合でキャリア初黒星を喫した。
しかし、表舞台から姿を消して忘れ去られるつもりは毛頭なかった。アンドラーデは、今でもまるで疫病のように避けられていると感じており、その状況を打破しようと全力を尽くしているという。
37歳となったアンドラーデ(32勝1敗、19KO)にとって、今さら下から這い上がる時間は残されていない。しかし、自身の実績とキャリアを考えれば、そもそもその必要すらないと彼は考えている。
すぐに世界タイトル戦のチャンスが巡ってくる可能性は高くないが、現在ハムザ・シェラーズの名前は注目を集めている。そして、
ベルランガ戦での彼が手のつけられないような強さを見せた一方で、アンドラーデはその細身の体格に対して特に印象を受けていないという。アンドラーデに言わせれば、シェラーズのようなスタイルはボクシング界にいくらでもいる。今アンドラーデが求めているのは、自分のほうが上のファイターであることを証明することだ。ただその前に、ひとつだけ小さなお願いがあるという。
「まずは調整試合を一戦やらせてほしい。ただ勘を取り戻すためにね。しばらく試合から離れていたけど、必要なのはその一戦だけだ。そのあとでシェラーズとやるのは全然構わない。いいファイターだけど、俺なら勝てる。」