デビッド・ベナビデスは、11月22日の対戦で
アンソニー・ヤードがどれほど危険な存在であるかを十分に理解している。
 無敗のWBCライトヘビー級王者であるベナビデスは、ここ数年にわたりこの危険なイギリス人コンテンダーに注目してきた。だからこそ、ヤードを過小評価すれば、試合後に狙う“レガシーを強化する大一番”を台無しにしかねないことをよくわかっている。両者はサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで開催される
「The Ring IV: Night of the Champions」興行のメインイベントで12回戦を戦う。もしヤードとそのトレーナー、トゥンデ・アジャイが本気で「ベナビデスは自分を軽視している」と信じているのなら、大本命とされるベナビデスは“試合の夜に現実を思い知るだろう”と断言した。
「彼らが何を言おうと関係ない。彼らは俺がどんなトレーニングをしているか見ていないんだ」とベナビデスは『ザ・リング』誌に語った。「むしろ、今回がこれまでで一番ハードなトレーニングだと思う。彼らは俺が
ドミトリー・ビボルや“スルド”ラミレスの名前を出しているから、そう言っているんだろう。でも最終的に何が懸かっているか、俺はわかっている。」
ヤード(27勝3敗、24KO)に敗れれば、ビボルの王座を狙う『ザ・リング』誌ライトヘビー級ランキング2位のベナビデス(30勝0敗、24KO)は、“ライトヘビー級統一王者”という究極の目標から大きく後退することになる。
もし175ポンド級の完全統一王者ドミトリー・ビボル(24勝1敗、12KO)が、2026年初戦でそのチャンスを与えない場合、フェニックス出身のベナビデスは、WBA/WBOクルーザー級王者
ヒルベルト・ラミレスへの挑戦を本格的に検討することになる。
ラミレス(48勝1敗、30KO)を破ることができれば、ベナビデスは3階級制覇王者となる可能性がある。
ベナビデスは現在28歳。まさに肉体的なピークの真っただ中にあり、チャンピオンとしての夢を実現する絶好の位置にいる。一方で34歳のヤードは、もし今回ベナビデスに勝てなければ、ライトヘビー級王座を手にする三度目のチャンスが最後になる可能性が高いことを理解している。その切迫感こそが、2019年8月に
セルゲイ・コバレフに11回TKO負けを喫した時や、2023年1月に
アルツール・ベテルビエフに8回TKOで敗れた時以上に、ヤードを危険な存在にしているかもしれない。
ヤードは、いずれの試合でも相手のコバレフやベテルビエフを一時的にぐらつかせる場面を作りながら、最終的には逆転されて敗れている。
「彼が素晴らしいファイターであることはわかっている」とベナビデスは語った。「ずっと前から彼のことを見てきたし、いつかアンソニー・ヤードと戦うことになるとわかっていた。だから、彼らが何を思おうと構わない。俺を“彼を軽視している”と言うかもしれないが、結局のところ、俺がどれだけハードにトレーニングしているかを見れば、それがまったく違うことを物語っている。」
「誰かがすでに次の試合の話をしている時点で、目の前の試合を軽視している証拠だと思う」とアジャイは語った。「だから、そうやって俺たちを軽く見ていればいい。彼はドミトリー・ビボルとかアルツール・ベテルビエフの話ばかりしているけど、『冗談だろ?』って感じだよ。俺たちは遊びに来るわけじゃない。戦いに来るんだ。デビッド・ベナビデスは人生最大の試練に直面することになる。」
Keith Idecは『ザ・リング』の上級ライター兼コラムニストであり、X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡を取ることができる。