長らく待ち望んでいた世界タイトル挑戦の相手が誰になるのかを見極めるため、シェフィールド出身の
ダルトン・スミスは最近、ニューヨークへ「職業病的な休暇」を取り、スブリエル・マティアスが
アルベルト・プエジョを相手に苦戦の末、WBC世界スーパーライト級王座を獲得する試合を観戦した。
しかし、その「視察旅行」はすぐに「ビジネス旅行」へと様変わりする。
マティアス(23勝2敗、22KO)は、新たに手にした王座の祝福写真を撮る間もなく、次なる挑戦者と対面することとなった。
その機を逃さず、トゥルキ・アル・シェイク閣下が即座に発表したのは、
スミスがWBC世界スーパーライト級王座の指名挑戦者として、次回『Ring IV』興行でタイトルに挑戦するという知らせであった。このイベントは11月22日にサウジアラビア・リヤドで開催され、
DAZNにより世界中で配信される予定である。
スミス(18勝無敗、13KO)は、この試合が厳しい戦いになることを理解しているが、Boxing Nowとのインタビューで、28歳の彼は、マティアスがオーストラリアの
リアム・パロに敗れて王座を失う以前から、そのスタイルに穴があると感じていたと語った。
「どっちが勝っても、自分は構わなかった」とスミスは語る。
「世界タイトルを争う選手なんて、間違いなく実力者ばかりだ。まさにトップ中のトップだよ。
今、自分にもその舞台で自分の実力を証明するチャンスが巡ってきた。でもさ、面白いよな。みんな彼(マティアス)を“化け物”とか“恐ろしい存在”って言うけど、俺はパロが勝つかもしれないって言ってたんだ。
誰もが彼(パロ)を見くびってたけど、結果的に彼が勝ったろ?俺がそう言ったときは、みんな『頭おかしいんじゃないか』って反応だった。
でも俺は彼(マティアス)のスタイルに明確な弱点を見つけたし、パロはそれを少し暴いたと思う。」
一時期、マティアスの絶え間ない攻撃と強打、そして不気味なほど冷静な試合運びは、世界ボクシング界でも最も厄介な対戦相手とされていた。しかし、その華やかな戦績やハイライト映像がいかに印象的でも、実際に彼の試合を生で見なければわからない要素も多い。
マティアスの試合を目の当たりにしたことで、スミスは彼の強さと弱点をより明確に把握し、「勝てる」という確かな自信を得た。
「もちろん、パンチ力はあるよ。間違いなく強打者だ。でも一発で倒すタイプじゃないんだ」とスミスは語る。
「彼の強さは“蓄積”にある。みんな、彼の前に立って打ち合おうとする。でも俺たちはそこに弱点を見ている。だからこそ、10週間のトレーニングキャンプでしっかり準備して、万全の状態で挑むんだ。コンディションを整え、リング上で計画を実行する、それが全てさ。」