比嘉大吾は直近2試合で勝利を逃しているものの、バンタム級でのビッグマッチのチャンスは尽きていない。
リング誌のバンタム級ランキングで5位に位置する日本人コンテンダーは、昨年9月にWBOバンタム級王者・
武居由樹との12回戦で惜しくも判定負けを喫し、続く2月24日にはWBAタイトルを懸けた熱戦の末、
堤聖也との試合で珍しい3者一致の引き分けとなった。
比嘉大吾(21勝3敗2分、19KO)は、昇格したばかりのWBA王者
アントニオ・バルガスと対戦し、3度目の挑戦での初戴冠を狙う。日本・横浜で開催され、寺地拳四朗がメインを務める
豪華なタイトルマッチ興行の一環で、この試合は明朝
DAZNでライブ配信される予定だ。「敗戦後であっても、こうして3度連続で世界タイトルに挑戦できる機会を与えられたことに心から感謝しています」と比嘉大吾(21勝3敗2分、19KO)は、プロモーターの二宮悠介氏を通じてリング誌に語った。「次のステージに進むためには、どうしてもチャンピオンにならなければいけないと思っています。タイトルを獲れば、統一戦や他の大きなチャンスへの道が開ける。だからこそ、今回は絶対に勝ちたい。必ず世界チャンピオンになります。」
そのためには、29歳の比嘉が乗り越えなければならないのがアントニオ・バルガスだ。バルガスは、堤が健康上の理由でタイトル防衛ができなくなり、今年5月に休養王者となったことを受け、WBA暫定王者から正規王者へと昇格した。
比嘉は試合に向けた準備として、まず千葉で高地トレーニングを行い、その後東京に戻ってスパーリングを重ねた。すべては野木トレーナーの厳しい指導のもとで行われた。
常に前に出て圧力をかけるスタイルの比嘉は、今回の試合でも王者が打ち合いに応じてくると予想している。
「彼はアグレッシブなファイターだと思います」と比嘉は語った。「相手がダメージを負ったと感じた瞬間、一気に仕留めにかかる力がある。それが彼の強さです。自分は集中力を切らさず、自分のボクシングを貫き、決して油断しないようにします。」
近年、バンタム級は「ジャパンタム級(Japantamweight)」とも呼ばれている。というのも、主要4団体のタイトルすべてを日本人選手が保持しており、ランキング上位の多くも日本人だからだ。
リング誌のランキングを見れば、それがよく分かる。上位6人すべてが日本人であり、比嘉もその一角を占める存在だ。
比嘉は堤聖也との2戦で非常に接戦を演じ、勝敗をつけることができなかった。現時点では優先事項ではないものの、「どちらが上か」を決着させるために、第3戦の可能性を否定していない。
一方で、比嘉はWBC王者・
中谷潤人とIBF王者・
西田凌佑による統一戦にも注目していた。
この試合は中谷が6ラウンドで勝利している。「堤との試合ではチャンピオンにはなれませんでしたが、あれほど興奮と記憶に残る試合の一部になれたことは嬉しく思っています」と比嘉は語った。
「中谷選手も西田選手も本当に素晴らしい選手だと思います。インファイトもアウトボクシングも両方できる。中谷選手との対戦には確実にモチベーションがあります。」
とはいえ、その前に比嘉は自身の課題である「バンタム級の壁」を乗り越え、まずはバルガスからWBAタイトルを奪う必要がある。
バルガス(19勝1敗、11KO)は、2016年リオデジャネイロ五輪にアメリカ代表として出場した実績を持つ優れたアマチュア出身の選手。プロ入り後10連勝を飾ったが、その後、ホセ・マリア・カルデナスにまさかの1ラウンドKO負けを喫している。
その後、バルガスは見事に立ち直り、10連勝を飾っている。元フライ級王者のエルナン・マルケスに判定勝ち(10回戦)、勢いに乗っていたジョナサン・ロドリゲスには7回終了時TKO勝ち、そして直近ではウィンストン・ゲレーロを10回TKOで下し、WBA暫定王者の座を獲得。その後、正規王者へと昇格している。
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