アイザック・クルスは我慢できなかったようである。

土曜日に行われたラモン・ローチとの激闘の結果が物議を醸し、即時再戦に値すると認めつつも、“ピットブル”は自分ともローチとも再戦を避けた宿敵に向けて皮肉を放った。

「ファンは再戦を望んでいるのか？」とクルスは日曜日未明の試合後記者会見で問いかけた。「皆さんは再戦を望んでいますか？　自分はジャーボンティ・デービスじゃない。自分は今すぐ再戦をする準備ができている。」

クルスとローチは、デービスがキャリアで最も苦しんだ2試合を提供した。しかし、WBAライト級王者として問題を抱えるデービスは、ブルックリンのバークレイズ・センターでの悪名高い多数ドローから9カ月後、ローチとの契約上の即時再戦権を行使したにもかかわらず、どちらとも再戦しなかった。

ローチ（25勝1敗3分、10KO）とクルス（28勝3敗2分、18KO）は、サンアントニオのフロスト・バンク・センターでも12ラウンドの多数ドローに終わった。ローチは、デービスとは違い、クルスがPPVメインイベント後に交わした拘束力のない再戦合意を尊重してくれることを望んでいる。

「最善の道は即時再戦に進むことだと思う」と、今回のスーパーライト級デビューを終えたローチは語った。「そして、同じ条件のリングでやりたいと言いたい。」

ここでいう「同じ条件」とは、メキシコ人ファンで埋まった会場で、クルスが大きな声援を受けていたことを指すと思われる。クルスと同様にローチもアル・ヘイモン率いるPBCと契約しており、ガーボンタ・デービスが元恋人からDV疑惑を受け、ジェイク・ポールとのエキシビション再戦を撤回したことで、ローチには再び大舞台での機会が与えられた。

クルスは3ラウンドにローチの右手がキャンバスに触れた際、初のダウンを奪った。その後、レフェリーのジェームズ・グリーンは7ラウンドにクルスがローチの腰の下部を叩いたとして1点減点した。

ジャッジのクリス・テレスは115-111でクルスの勝ちと採点。一方、コリー・サントスとネイサン・パーマーは113-113のドローとした。

非公式のCompuBox統計によれば、メリーランド州アッパー・マールボロ出身のローチの方が有効打で優勢だった。CompuBoxは強打でローチ142/291、クルス132/382、ジャブでローチ49/176、クルス27/162とし、総計32発の差がついた。

メキシコシティ出身のクルスは、減点がなければ僅差の判定ながらも統一の勝利を得られたはずだと不満を述べた。また、より重い階級での初戦にもかかわらず打ち合いに応じたローチを称賛した。

「ラモンは確かに優れた選手で、良い資質を持っている」とクルスは通訳を介して語った。「そして、自分たちだけがガーボンタをあそこまで追い詰めた。だからこそ、ガーボンタは自分たちどちらとも再戦しなかったのである。自分たちは今日、二人とも本物の実力者であることを証明した。ファンが今日の試合を楽しんでくれたことを願う。なぜなら本当にエリート同士の最良の戦いを見せられたからである。」

WBCスーパーライト級暫定王座を保持するクルスは、2021年12月にデービス（ボルチモア／30勝0敗1分、28KO）に12ラウンド判定で敗れている。デービスは3者とも116-112、115-113、115-113の判定で勝利したが、強打のサウスポーであるデービスでもクルスを痛めつけることはできず、常に前へ出るクルスの圧力により、試合は接戦となった（ロサンゼルスのステイプルズ・センターにて）。

Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X（旧Twitter）@idecboxingで連絡可能。