ロサンゼルス発──テレンス・クロフォードが明確なビジョンを持って動き出している。
今年9月に予定されている「リヤド・シーズン」の一環として、カネロ・アルバレスと対戦し、スーパーミドル級(168ポンド)の4団体統一王者となった場合、その後に154ポンドへ階級を戻し、史上初となる4階級での4団体統一を目指す構えだ。
クロフォード(41勝0敗31KO)は、これまでスーパーライト級(140ポンド)とウェルター級(147ポンド)で4団体統一を達成し、ライト級(135ポンド)でも世界王者となっている。現在はWBAのスーパーウェルター級(154ポンド)王者でもある。
同級の他の王者には、セバスチャン・フンドラ(WBC・WBO)とバクラム・ムルタザリエフ(IBF)がいる。なお、『The Ring』誌の王座は現在空位となっている。
クロフォードにとって、フンドラ、ムルタザリエフ、そしてWBC暫定王者のヴァージル・オルティスJr.との対戦は、レガシーを決定づける一戦とは言いがたい。ただし、彼らのうちの誰かがすべてのベルトを統一するような状況になれば、対戦を検討する余地はあるという。
「154ポンドには素晴らしいファイターがたくさんいる」とクロフォードは「ザ・リング」との独占インタビューで語った。「誰がベストかを一方的に決めるのは失礼だし、スタイルが試合を作る。だから、実際に戦って勝った選手がその時点での“最強”ということになる。もしかすると、その勝者とテレンス・クロフォードの対決が実現するかもしれない。」
つまり、フンドラ、ムルタザリエフ、オルティスの3人は、まず直接対決を経て生き残り、クロフォードの目に留まる必要があるということだ。
なお、先週オルティス陣営はムルタザリエフとの
対戦オファーを断っている。
「そのチャンスが現実的で、キャリアにとって良いものであれば、その勝者との試合を実現するために必要なことはやるつもりだ」とクロフォードは語った。「ただし、今のところ自分の意識はカネロに集中している。精神的にも肉体的にも完全に備えて、勝利を手にするための準備をしているところだ。」
「4階級での4団体統一なんて正気の沙汰じゃない。でも、その可能性があるのなら、選択肢として考えないわけにはいかない。カネロ戦のあとは状況を見て判断する。フンドラ、オルティス、ムルタザリエフに勝っても、自分にとっては“勝って当然”の試合だ。でもカネロと戦うとなれば、世間の多くは『クロフォードに勝てるわけがない』と思っている。それこそがキャリアを決定づける試合であり、レガシーを残す戦い。今のボクシング界で最も大きな試合なんだ。」
金曜日、WBO会長のグスタボ・オリビエリは、クロフォードが154ポンドに戻る予定はないと明言。アルバレス戦が正式に発表された時点でWBOの暫定王座を返上することになり、「よって彼の指名挑戦者としての地位は消滅する」と説明している。
「ザ・リング」誌主任ライターの Manouk Akopyan は、XおよびInstagramで @ManoukAkopyan にて情報を発信中。