ラスベガス発――
クリスチャン・ムビリは、土曜夜のハイリスクなスーパーミドル級戦で無敗記録を懸けて挑む
レスター・マルティネスの勇気を評価している。
モントリオール出身のムビリは、アレジアント・スタジアムで行われるカネロ・アルバレス対テレンス・クロフォードのアンダーカードで、危険なグアテマラ人コンテンダーに対して自分の優位性を証明できると確信している。少なくともマルティネス(19勝無敗16KO)は、容赦ないプレッシャーとパワー、そして手数で相手を圧倒するムビリ(29勝無敗24KO)との対戦に伴うリスクを受け入れた。
一方、
ディエゴ・パチェコについて聞かれるとムビリの口調は一変する。彼はパチェコを「負けを恐れて無敗を守ることしか考えていない臆病な挑戦者」と切り捨てた。
「もうこの男の話はしたくない」とムビリは『
リング』誌に語った。「あいつは俺から2度逃げた。IBFでもWBCでもだ。こいつはこの試合を望んでいない。自分が勝てると確信している相手としかやりたくないんだ。だから俺としては宣伝してやるつもりもない。2度も逃げたんだ……戦う気なんかないよ。」
30歳のムビリと24歳のパチェコは、アルバレスの王座を狙うリング誌168ポンド級コンテンダーランキングでそれぞれ1位と2位に位置している。
ムビリの陣営は最近、ディエゴ・パチェコに対し、カナダ・ケベック州でのWBC暫定王座戦を提案した。カメルーン出身のムビリ(29勝無敗24KO)は、
6月27日にケベック・シティでポーランドのマチェイ・スレツキ(33勝4敗13KO)を初回TKOで下し、その王座を獲得。今回ネットフリックスで世界配信される10回戦でレスター・マルティネスを相手に初防衛戦を行う。
一方、パチェコ(24勝無敗18KO)は『リング』誌の取材で、敵地であるケベックでの試合に提示されたファイトマネーが見合わなかったと説明した。ロサンゼルス出身の彼は代わりに7月19日、テキサス州フリスコで
アメリカ人トレバー・マカンビー(28勝2敗21KO)と対戦し、判定で完勝している。
「正直、提示された金額は大したことなかった」とパチェコは語った。「もし十分な金額なら考えたかもしれない。でもマカンビー戦と変わらない額で、しかもアウェーでBサイドとして戦えって? それは割に合わないよ。」
さらにパチェコは、もしムビリを倒しても、アルバレス(63勝2敗2分39KO)がクロフォード(41勝無敗31KO)に勝って統一王座を守った場合でも、必ず挑戦権が得られる保証はなかったと主張している。
ムビリはまずマルティネスに勝ち、アルバレス戦につなげたいと望んでいるが、英国の
ハムザ・シーラズ(22勝無敗1分18KO)の名前が、アルバレスがネットフリックス配信のメインイベントで防衛に成功した場合の有力候補として最も多く挙がっている。
いずれにせよ、もしアルバレスがWBC王座を返上するなら、パチェコはムビリとの王座決定戦に興味を示している。パチェコはWBCで4位、WBOで3位にランクされている。
「もしカネロが持っているそのWBCタイトルを懸けて戦うなら、俺とムビリ──間違いなくやるよ」とパチェコは語った。「でもカネロへの挑戦権を懸けて戦うだけなら、そのポジションはすでにWBOで確保している。しかも俺のプロモーターのエディ・ハーンはWBOと素晴らしい関係を築いている。だからエディと話し合った結果、今回はそっちのルートを選んだんだ。そして年末には、カナダじゃなくアメリカでムビリと戦う可能性がある。」
『ザ・リング』シニアライター兼コラムニスト、Keith Idec 執筆。X(旧Twitter)@idecboxing でフォロー可能。