ロンドン発――クリス・ユーバンクが、待望の
コナー・ベンとの再戦を正式発表する記者会見で、英国ボクシング管理委員会(BBBofC)と同委員会事務総長ロバート・スミスに対して驚くほど激しい攻撃を仕掛けた。
トッテナム・ホットスパー・スタジアムのピッチ上で繰り広げられた
壮絶な12ラウンドの死闘から約5カ月。ユーバンクとベンは水曜、再び同じ場所に姿を現し、11月15日の再戦に向けた会見に臨んだ。
両者はザ・リング主催「Fatal Fury: City of the Wolves」のメインイベントで全力を出し切ったことで互いに新たな敬意を抱くようになったと短く語ったが、ユーバンクはその場を利用して管理委員会とスミスを痛烈に批判。「ヒキガエル」とまで呼んで標的にした。
なお、ユーバンクはベンに判定勝利を収めたが、再戦発表前には度重なる罰金を科されていた。ローンチ会見の場で卵を相手に投げつけたことで10万ポンドの罰金を受け、さらに過酷な減量過程を収めた動画をSNSに投稿したことで追加の1万ポンドを支払わされている。
ユーバンクの懐を最も直撃したのは、契約体重をわずか半オンスほどオーバーしたことだった。その契約違反により、ファイトマネーから50万ポンドをベンに支払わされる羽目になった。ユーバンクはその責任をスミスに押し付けた。
さらにユーバンクは、宿敵コナー・ベン以上に険悪な関係とされる元対戦相手ビリー・ジョー・サンダースが、自分のバンテージ巻きを見ようとバックステージに入ろうとしたことにも言及。しかし、ミドル級王者のセキュリティがサンダースの入室を拒否したという。
「別のことを話したい」と、30分に及んだ記者会見の途中でユーバンクは切り出した。「英国ボクシング管理委員会、そしてより具体的に言えば、ロバート・スミスという男についてだ。
この男こそが舞台裏の大ボス。全権を握り、英国国内のプロボクシングで起きるすべてをコントロールする権力者だ。本当に影響力のある人物なんだ。
だが、この愚か者は試合前日の公式計量で、報道陣やカメラマンを俺のプライベートな計量会場に入れることを許した。余計な時間がかかり、そのせいで俺は体重を外し、50万ポンドもの罰金を科されたんだ。
さらに、この男は契約違反だと分かっていながら、コナー・ベンに馬毛入りのグローブを使わせたんだ。」
「試合当日、あのロバート・スミスは俺の宿敵ビリー・ジョー・サンダースをわざわざ控室まで連れてきて、俺の人生最大の試合に向けた準備を妨害しようとしたんだ。
その後リングに上がってきて、握手して祝福しようとまでしてきた。この男の面の皮の厚さには呆れるよ。俺から見れば、このヒキガエルはただの操り人形、駒に過ぎないのは明白だ。
俺はあいつがマッチルームとエディ・ハーンの手先だと思っている。結局この業界は裏で汚いことが横行していて、残念ながらまた一人、卑劣で腐った人間を見ただけさ。」
ユーバンクの 罵倒は止まらなかった。試合後すぐに病院へ搬送されるはずだった救急車が20分も遅れたと主張し、なぜ委員会がその件を調査しなかったのか疑問を投げかけた。
さらに、科された罰金の金がどこへ行ったのか明確にするよう要求した。
「試合前に俺がやったことについては、いくつも調査を開いたくせに、救急車が20分もスタジアムから出られなかった件については一切調査なしだ。サウナに入ったことを話した理由を探るほうが大事なんだろうな。
過去6カ月で俺は山のように罰金を食らったが、その金はどこに消えてる? ボクシング管理委員会はイギリスのボクシングを支える存在のはずだ。俺の目からすれば、その金は地域コミュニティに還元されるべきだし、道具を買えない子供たちや地元ジム、ケガをした選手たちに使われるべきだ。それが全然見えない。太った役員どもの懐に入っているようにしか思えない。悲しい現実だ。
俺はメディアに訴える。この金がどこに消えているのか光を当ててくれ。コミュニティには行ってないのは断言できる。」
もちろん、ユーバンクの矛先はコナー・ベンのプロモーター、エディ・ハーンにも向いた。長年の確執がある二人だが、ユーバンクはマッチルームのボスを「冷酷で、道徳心も自制心もない」と非難した。
ベンとハーンを指さしながら、ユーバンクはこう言い放った。
「こいつらは庶民の味方なんかじゃない。ただの羊の皮をかぶった狼だよ。上に行くためなら何だってやるし、誰を犠牲にしてでも構わないと思ってる。冷酷で、モラルもなく、自制心ゼロだ。
前回の試合では俺を潰そうとあらゆる手を使った。契約違反、罰金、リハイドレーション条項、計量の妨害、偏った解説とレフェリング……挙げればきりがない。」
これに対し、ハーンは冷ややかに反論した。
「君が言ってることは、全部君がサインして承諾した契約に基づいている。我々は君の小細工を見抜いている。結果は見てのお楽しみだ。」
ザ・リング誌はロバート・スミスにコメントを求めたが、記事執筆時点で回答は得られていない。