カオイムヒン・アギャルコは、
イシュマエル・デイビスにまだ生々しい記憶を呼び起こさせることを狙っている。両者は土曜夜、ベルファストのウィンザー・パークで行われる12回戦で激突し、その模様は
DAZNでライブ配信される。
過去1年でデイビスは2度ステップアップし、
ジョシュ・ケリーと
セルヒイ・ボハチュクに挑んだ。30歳の彼は自らを試したことで称賛を得たものの、いずれの試合も敗れている。
一方、アギャルコ(17勝無敗、7KO)は、7年前に成功したアマチュアキャリアに幕を下ろして以来、一度も敗れていない。
土曜の試合で、どちらか一方が最初から支配するようなら驚きだろう。だがアギャルコは、もしデイビスにケリー戦やボハチュク戦で味わった敗北の苦しみを思い出させることができれば、あの挫折と絶望の感覚が再び押し寄せてくると確信している。
「間違いない。イシュマエルは切り抜ける術を知っていると思う」とアギャルコは
「ザ・リング・マガジン」に語った。
「俺にはそれがないし、これからもない。勝ち名乗りを受けずにリングを降りるには、キャンバスに打ち付けられるしかないんだ。そうなるとは思ってないが、デイビスにとって試合が厳しくなった時、前回の試合でも逃げ道を見つけたように、今回もまた逃げ道を探すだろうと感じている。」
アギャルコが言及しているのは、デイビスが2024年12月に行ったボハチュク戦のことだ。
元WBC暫定王者の実力者ボハチュクは経験と実績でデイビスを大きく上回り、遠距離でも接近戦でも強打を打ち込む方法を素早く見いだした。6ラウンドを重ねるごとに一方的な展開となり、デイビスのコーナーはついに彼を救い出した。
アギャルコとトレーナーのスティーブン・スミスは、あの試合を徹底的に研究し、自分たちが効果的に戦える方法を見いだしているはずだ。しかし、2024年9月のケリー戦でデイビスが判定負けを喫した試合からも学ぶべき点は多い。
アギャルコにはボハチュクのようなリーチやパワーはないが、この28歳はボクシング技術、フットワーク、そして効果的なカウンターパンチの能力を示してきた。
ケリーはハイペースで飛ばしたわけではなかったが、初めて本格的なステップアップ戦に臨んだデイビスは、精神的にも肉体的にも消耗を恐れて慎重なボクシングに徹し、ラウンドを取り逃がしていった。終盤に試合をひっくり返そうと仕掛けたものの、流れを変えるには至らず、比較的淡白な内容でマジョリティデシジョンの敗北を喫した。
デイビスが同じ過ちを繰り返す可能性は低いだろう。だがアギャルコは、リーズ出身の男がどんな戦い方を選んでも、自らの存在感を示せると確信している。
ケリー戦でデイビスが慎重なボクシングをした理由について問われると、アギャルコは「短期間のオファーだったからだと言う人もいる」と語った。
「彼は別の試合に向けてキャンプをしていたが、準備期間は2週間しかなかった。もしコンディションが整っていないなら〔試合を受けるな〕。俺たちは試合まで2週間だが、もう戦う準備はできている。」
「少しエネルギーを温存していたのかもしれないし、頭の片隅では初めての大舞台だと思っていたのかもしれない。俺はそこまで大きな意味は見ていない。」
「あの試合内容を参考にするつもりもない。俺はジョシュ・ケリーとはまったく違うタイプのファイターだ。だがもし彼がケリー戦と同じようなボクシングをしてきたら、俺にとっては楽な夜になるだろう。」
ケリーはデイビス戦の勝利以降、まだ1試合しかこなしていないが、無敗のIBF世界スーパーウェルター級王者
バフラム・ムルタザリエフ(23勝無敗、17KO)との
タイトル戦目前に立っている。
アギャルコはライバルに勝ることよりも、自らのキャリアに専念することを重視している。だが、土曜の試合で印象的な勝利を挙げれば、世界タイトル挑戦へ向けて大きな一歩を踏み出すことになると理解している。
「地元の街で、自分にとって最高のチャンスだと思っている。完璧なパフォーマンスを披露するつもりだ」と彼は語った。
「スパーリングは順調だし、ハードにトレーニングを積んできた。今回がこれまでで最高のキャンプだったと思う。よくそう言う選手はいるが、本当にこれまでで一番充実していて、コンディションも最高だと実感している。」
「9月13日にリングに上がり、完璧なパフォーマンスを見せられない理由なんて俺にはない。」