ホセ・ベナビデス・シニアは、もともとカネロ・アルバレスの大ファンというわけではない。
その理由は単純だ。彼は息子
デビッド・ベナビデスをメキシコのレジェンドと対戦させたかったからである。デビッド・ベナビデスが現在ライトヘビー級で戦っているため、そのマッチアップはもはや過去のものとなった。しかしデビッド・ベナビデス・ジュニアはいまだにアルバレスを意識している。
最近、メキシコのスターであるアルバレスは、テレンス・クロフォードを相手に四団体統一王座の防衛を試みた。ベナビデス・シニアは、アルバレスが体格で劣る相手を痛めつけ、最終的には倒すだろうと予想していた。しかし、結果はそうならなかった。クロフォード(42戦42勝〈31KO〉)が、
9月13日にラスベガスのアレジアント・スタジアムで行われた試合で、**僅差ながら明確な判定勝ち(3-0)**を収めたのだ。
アルバレス(68戦63勝3敗2分〈39KO〉)は、もはやタイトルを保持していないが、現役を退くつもりはないようだ。彼は肘の手術から回復した後、2026年に再びリングに戻る計画を立てている。だが、ベナビデス・シニアの目には、それは時間の無駄にしか映らない。
「カネロは若いが、ボクシング人生ではもう消耗しているんだ」と彼はFight Hub TVのインタビューで語った。
アルバレスは現在35歳で、プロデビューは20年前に遡る。ベナビデス・シニアに言わせれば、その年月の中で蓄積されたダメージが確実に影響しているという。
クロフォードは偉大な選手であるが、今回の試合に臨むために154ポンドから階級を上げてきた。しかし、彼は単にフットワークで逃げるのではなく、時には真正面から打ち合い、火には火で応える姿勢を見せた。
ベナビデス・シニアも、Netflixで配信されたこの試合を視聴した4100万人のひとりだった。ラウンドが進むにつれ、彼は信じられない思いでその展開を見守ったという。息子がアルバレスと対戦するチャンスを得るべきだったと今でも考えているが、それでもスーパーミドル級の新王者に対しては敬意を表した。
「テレンス・クロフォードの素晴らしいパフォーマンスにおめでとう。彼は本当によくやった」とベナビデス・シニアは続けた。