ロンドン(イングランド)発――フランク・ウォーレンは、二階級制覇王者ビリー・ジョー・サンダースが「タイソン・フューリーのように」復活を遂げることを願っている。
35歳のサンダースは、4年前にテキサスで
カネロ・アルバレスに敗れて以来リングから遠ざかっているが、まだ現役を終えるつもりはないと主張する。
最近の
ザ・リング・マガジンのインタビューで、サウスポーのサンダースは、タイでの長期トレーニングキャンプを通じて50ポンド(約23キロ)減量したことを明かし、リング復帰への道筋を描いていると語った。
またサンダースは、
ボクシングのない生活に順応できず苦しむ中で、長年のプロモーターであるウォーレンと復帰に向けた話し合いを行ったことも明かした。
そして今、ウォーレンはザ・リング・マガジンに対し、サンダースの状況が2018年当時の“ジプシー・キング”ことフューリーの状況と重なる部分があると語った。
フューリーは、2015年にウラジミール・クリチコに勝利した後、酒や薬物、そして自殺願望との闘いに陥り、人生が大きく狂った。体重は26ストーン(約165キロ)にまで増加し、マッチルーム代表のエディ・ハーンも、フューリーと会った際「もう彼が再びリングに上がることはないだろう」と感じたと明かしている。
しかしウォーレンは、モアカム出身の男を信じ続けた。フューリーは2018年6月にセフェル・セフェリを下して復帰を果たし、その18か月後には
ディオンテイ・ワイルダーからWBC世界ヘビー級タイトルを奪取するに至った。
「タイソンは体重が増えていたが、自分を信じていたし、再び頂点に立てると信じていた」とウォーレンは語った。
「今のビリー・ジョーも前向きな発言をしているから、これからどうなるか見てみよう。彼は4年間リングから離れていたが、ジムには通っていると言っている。まずはジムでどのように動けるかを見て、それから判断するつもりだ。
タイソンの時も同じだった。体重が増えて長くリングを離れていた時期に彼と話をして、それから再びタイトルを獲得した。ビリー・ジョーにも同じようなことが起こればと願っているが、まずはジムでの動きを見極めることが大事だ。どの階級でやるかもまだ分からないので、そこも見ていく必要がある。」
サンダースは2008年のオリンピックから戻った10代の頃にウォーレンと契約してプロに転向。ミドル級とスーパーミドル級で世界王者となったが、31戦目で初黒星を喫した相手がカネロ・アルバレスだった。
サンダースはリングを離れていた間に体重が18ストーン(約114キロ)まで増え、カネロ戦時と比べて80ポンド(約36キロ)以上も重くなっていたが、自身はライトヘビー級での試合が可能だと信じており、3階級制覇に挑戦したいと考えている。
ウォーレンはこう付け加える。「彼が18歳の時から私は見てきた。2階級で世界王座を獲得しており、どれだけ優れた選手かは分かっている。これまで一緒に素晴らしい道のりを歩んできたから、今後どうなるか見てみよう。」
「ライトヘビー級が彼にとって現実的な階級になると思う。彼ももう35歳だから、どれだけ力が残っているかは分からない。ただ、ビリーについて一つ言えるのは、彼は馬鹿ではないということ。ジムに入れば、自分にまだ力があるかどうかを誰よりも早く理解するはずだ。
ライトヘビー級は厳しい階級だが、長く離れていた後の復帰戦はいつでも厳しいもの。それでも、彼ならやってのけてもおかしくはない。」