ドミトリー・ビボルと
アルトゥール・ベテルビエフによる3度目の対戦が目前に迫る中、ライトヘビー級ではもうひとつの動きがあった。
WBO(世界ボクシング機構)の会長グスタボ・オリヴィエリは、同団体がWBOライトヘビー級暫定王者
カラム・スミスと
デビッド・モレルの対戦を指令したことを発表した。スミスおよびモレルの陣営には、7月21日から起算して30日以内に合意に達するよう猶予が与えられており、交渉が不調に終わった場合は入札に持ち込まれる可能性がある。
「WBOの175ポンド級王者ビボルがベテルビエフとの三部作に向けて進行中であることは公然の事実である」とオリヴィエリはX(旧Twitter)に投稿し、「それゆえ、同階級の活性化を維持するために、WBOはカラム・スミス対デビッド・モレル戦を正式に指令する」と続けた。
イングランド出身のスミス(31勝2敗、22KO)は、元WBAおよびWBCスーパーミドル級王者であり、2024年2月22日にサウジアラビア・リヤドで同じ英国人の
ジョシュア・ブアツィ(19勝1敗、13KO)に判定勝ちを収め、WBOライトヘビー級暫定王座を獲得した。35歳のスミスは、WBCライトヘビー級王者
デビッド・ベナビデス(30勝無敗、24KO)との対戦に向けて交渉中であったが、この交渉は決裂し、ベナビデスは2024年11月22日にリヤドで開催予定の
「The Ring IV」大会のメインイベントとして、
アンソニー・ヤード(27勝3敗、24KO)と対戦することが決定している。
一方、モレル(12勝1敗、9KO)は、2024年7月12日にニューヨーク州クイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで行われた試合で、ロシアの
イマム・ハタエフ(10勝1敗、9KO)に
スプリット判定で僅差勝利を収めたばかりである。サウスポーのキューバ出身であるモレルは、第5ラウンドにダウンを喫したものの、全10ラウンドを通じて打ち合いの激戦を繰り広げた。
27歳のモレルは、2023年8月3日にロサンゼルスのBMOスタジアムで
ラディヴォイェ・カライジッチに判定勝ちし、WBAのセカンダリー王座を獲得したが、その後2024年2月1日にラスベガスのT-モバイル・アリーナでベナビデスにユナニマス判定で敗れ、王座を失った。