カレブ・プラントは、前戦の第4ラウンド終盤に自分をキャンバスに沈めた一撃についても、特に気にする様子はなかった。
トレバー・マクカンビーは、9月14日にラスベガスで行われた試合で、時折パワーでプラントをねじ伏せようとした。その戦術が功を奏し、肩口への一撃で、無名の大穴ながらもプラントをダウンさせる場面を作った。元IBFスーパーミドル級王者のプラントはすぐに立ち上がり、問題なく回復。ラウンド終了までには力強いパンチを返してマクカンビーに反撃した。
だが、プラント自身が「勝負を大きく変えた」と感じているのは、第5ラウンドでの対応だった。プラントはインサイドでの攻防に切り替え、タフなマクカンビーのガードを崩していった。試合は最終的に、カネロ・アルバレス対エドガー・ベルランガ戦のアンダーカードとして行われたその一戦で、プラントが第9ラウンドにマクカンビーをストップして締めくくった。
「第5ラウンドでインサイドに切り替えたのは、自分にとって最高のアジャストだったと感じてる」とプラントは『ザ・リング・マガジン』に語った。「俺と父、そして“ブレッド”ことスティーブン・エドワーズ(トレーナー)は完全に意思統一できていた。コーナーに戻ったときに、ブレッドと父が『これからはずっとインサイドで戦え、相手の胸元に張りつけ』って言ってくれた。
「実は第4ラウンドの冒頭と終盤に少しだけその距離で試してみてて、すごく居心地が良かったんだ。自分でも手応えを感じてた。だから第5ラウンドは“ブーム!”って感じで、インサイドに張りついたまま戦った。あの判断は本当に正解だったし、そこから先はもう、マクカンビーには何の対応策もなかったね。」
プラント(23勝2敗、14KO)は、
5月31日にラスベガスで行われるアルマンド・レセンディス戦に向けて、どのような戦法で臨むかは明かしていない。ただし、前戦マクカンビー戦での内容が今後の指針となるのであれば、攻撃的なメキシコ人の大穴レセンディスは、予想以上に目の前に立ちはだかるプラントと対峙することになるかもしれない。
レセンディス(15勝2敗、11KO)は、2試合前に行われた激しい打ち合いのミドル級戦で、エリジャ・ガルシア(17勝1敗、13KO)に第9ラウンドTKOで敗れている。ガルシアによるそのTKO勝利、そしてプラントのこれまでの実績を踏まえ、DraftKingsはテネシー州アシュランドシティ出身のプラントを、12回戦メインイベント(Amazonプライム・ビデオで配信)で20対1の大本命と見なしている。
プラントは、マクカンビー(28勝1敗、21KO)との試合でも14対1の本命とされていたが、その試合ではマクカンビーがキャリア最大の舞台で最初の4ラウンドにいくつかの成功を収めていた。
マクカンビーは第2ラウンドに特に効果的な攻撃を見せ、プラントに敬意を払わせた。右ボディでバランスを崩させ、左フックで後退させるなどプレッシャーをかけたうえで、ラウンド終盤に左をヒットさせてダウンを奪ったと彼の陣営は主張している。
しかし、レフェリーのアレン・ハギンスは、マクカンビーがプラントを押したと判定し、その場面をダウンとは認めなかった。ただ、プラントはその一撃にやや効かされていたように見え、コーナーへ戻る際もやや足元がふらついていた。
とはいえ、スコア上ではプラントが優勢だった。第9ラウンド終盤、マクカンビーがロープ際に追い込まれ、プラントの強打に晒された場面で、ハギンスが試合をストップ。その時点で、スコアは78-73、77-74、76-75と3者ともにプラントがリードしていた。
「第2ラウンドの終わりにいいパンチをもらったな、って思った」とプラントは振り返る。「でもすぐ立ち上がって、コーナーに戻る前の一歩で“足も大丈夫、頭もクリアだ”と感じた。座っても平気だったし、立ち上がっても問題なかった。それで第3ラウンドにはすぐに試合に戻ったよ。第1ラウンドは俺が支配してたし、第2ラウンドも最後までは俺のペースだった。第3ラウンドも俺のラウンドだった。
「第4ラウンドは、あいつがちょっと強引に出てきてね。突っ込んで、飛び込んできて、まるでブルみたいだったよ。で、肩に一発もらって倒れた。ダウンにカウントされたけど、俺は冷静だったし、動揺もしなかった。仕方のないことだし、一番大事なのは冷静でいること。そしてプラン通りに戦うことなんだ。」
Keith Idecは『ザ・リング・マガジン』の上級ライター兼コラムニスト。Xでは @idecboxing で連絡可能。