コナー・ウォーカーは、自分がより大きな舞台に立つ運命にあると信じている男のように歩き、語り、戦う。
12月6日、英国・コモンウェルス両ウェルター級王者のウォーカーはモナコへ渡り、
2020年東京五輪銀メダリストのパット・マコーマック(8勝無敗、6KO)を相手に王座防衛戦に臨む。難敵との注目の一戦だが、彼はあくまでいつも通りの仕事として受け止めている。
「この試合に臨む気持ちはいつもと同じだ。彼が俺に勝てるとは思っていない」とウォーカー(16勝3敗1分、7KO)は
「ザ・リング・マガジン」に語った。
「今の自分のレベル、この成長の軌道にある段階では、誰にも負ける気がしない。自分はこれから世界王者になると確信している。世界タイトル獲りはすでに始まっていて、これから先の12ラウンドで俺の前に立ちはだかる者がいても、誰にも負けるつもりはない。」
ウォーカーは王者になるよう仕込まれたタイプではなかった。ウォルヴァーハンプトン出身の30歳は、キャリアで本格的に前進するためには自らの力で扉をこじ開けるしかないと早くから悟っていた。
序盤に互角の勝負で数度の敗戦を喫したものの、ウォーカーは着実に成長を重ね、存在感を高めていった。
現在、マンチェスター郊外のジェイミー・ムーア・ジムで充実した日々を送るウォーカーは、いまや英国でも屈指の実力を誇るウェルター級ファイターへと成長した。彼は、ここまで来られたのは時間と努力、そして経験の積み重ねのおかげだと強調する。
「今はもう下積みを終えたと思っている。これまでにいくつもの試練を経験してきた。いくつかは結果が伴わなかったが、すべてが学びになった」と彼は語る。
「自分は本当にアクティブなファイターで、毎年3試合は戦っている。そのたびに少しずつ積み上げてきたんだ。」
「もちろんチームの支えも大きいけど、試合でうまくいかなかったときは必ず自分を振り返り、何が悪かったのかを分析して修正してきた。毎試合ごとにより完成されたファイターになることを目指してきたし、今はそれが形になってきていると感じている。」
「これまでに20戦を経験し、今回が21戦目になる。減量も何度も繰り返してきて問題はない。12ラウンドを戦うためにどれほどのコンディションが必要かも分かっているし、その中でどう立ち回るかも心得ている。」
2024年6月、ウォーカーはIBFウェルター級現王者
ルイス・クロッカーとの忘れがたい10回戦で判定負けを喫したが、多くの人々はその結果を不運と感じていた。
その後、3連勝を挙げて英国ウェルター級タイトルを獲得し、ウォーカーは国内でも最も注目されるファイターの一人として地位を確立した。
マコーマック戦は、クロッカー戦以来となる最も厳しい試練になると広く見られている。
ウォーカーは、1月のハリー・スカーフ戦で見せたような劇的な展開、すなわち苦境から立て直して第11ラウンドでストップ勝ちを収めたような試合を再び演じるのは難しいだろう。また、
6月のリアム・テイラーとの7ラウンドの激しい打ち合いで相手に隙を与えたような展開を、マコーマックに許すわけにはいかない。ウォーカーは今回が厳しい試練になることを理解している。しかし、評価の高いマコーマックを倒すことで、自身の視野を広げ、世界戦線への足がかりを築けると信じている。
「間違いなくそうだ。言った通り、俺は英国王者なんだ」と彼は語った。
「イギリス国内ではもう何も証明する必要はない。俺は他の誰よりも多くの英国トップ選手たちと戦ってきたからだ。多くのボクサーは遠回りをして国際タイトルを狙ったり、この相手を避け、あの相手を避けたりする。でも俺は出された相手とは全員戦ってきたし、パットのような相手には自分から名乗りを上げてきた。パット戦も自分から望んだ試合だ。」
「ほかにも選択肢はあった。自主防衛もできたが、『いや、パット・マコーマックとやりたい』と言った。自分を試したかったし、アンダードッグの立場でこそ本当の自分の力を引き出せるからだ。」