ブライアン・ノーマン・シニアは、息子がキャリア最大の試合に向けてオーバートレーニングしているという憶測について尋ねられたとき、文字通り声を上げて笑った。
ブライアン・ノーマン・ジュニアの父でありトレーナーでもある彼は、息子が11月22日に
デビン・ヘイニーと対戦する準備について、グレッグ・ハケットが語ったことを一部の人々が事実として受け取っていることが信じられないでいる。
年長のノーマンは、インターネット上で語られたり書かれたりすることの多くに注意を払うようなことはしないほうがいいとよくわかっている。引退した元ボクサーである彼にとって、この噂が特に滑稽なのは、ハケットがノーマン一家に関して客観的な立場にあるとは言いがたいからだ。
ノーマン・シニアは現役復帰し、2月15日にジョージア州ジョーンズボロで行われたクルーザー級6回戦で、フィラデルフィア出身のボクサー兼トレーナーであるグレッグ・ハケットを判定で下した。ノーマン(18勝11敗5KO)にとっては14年ぶりの試合だった。
「その噂の出どころはグレッグ・ハケットだ。2月に俺がぶちのめした相手だよ」とノーマン・シニアは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「4勝24敗の男だぞ? おいおい、何の話をしてるんだ? グレッグはチームの一員でもないし、キャンプに関係すらない。これはつまり、人々が藁にもすがるようなことを言ってるってことだ。『オーバートレーニングしてる』『6ラウンドを過ぎたらバテる』『スタミナがない』『足が遅い』『動きが重い』『反応が鈍い』――もう、いくらでも言いたい放題だ。
でも、そういうのは全部“願望”なんだ。そうであってほしいと思ってるだけで、何か言い訳を作りたいんだろう。ハケットなんてYouTubeでペラペラしゃべって、誰かに希望を与えてるだけさ。それだけのこと。あいつはフィラデルフィアにいる。俺たちのことなんて何も知らないんだ。」
ジョージア州コンヤーズ出身のノーマン(28勝0敗22KO、1無効試合)は、12ラウンド戦で自身のWBOウェルター級王座をかけ、実績と経験で勝るデビン・ヘイニーをわずかに上回る本命として迎える。
ネバダ州ヘンダーソン出身のヘイニー(32勝0敗15KO、1無効試合)は、サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで開催されるDAZNペイ・パー・ビュー大会「The Ring IV: Night of the Champions」のセミメイン(アメリカで59.99ドル、イギリスで24.99ポンド)で、12ラウンド戦を通じて自身3階級目の世界王座獲得を狙う。
24歳のノーマンは、来週、アトランタ郊外からリヤドへキャンプを移し、新しいタイムゾーンへの順応を進める予定だ。国外での試合はこれで2戦連続となる。
ノーマン・シニアは、息子が地球の裏側にフレッシュな状態で到着し、6月19日に東京・大田区総合体育館で
日本の佐々木尽(19勝2敗1分17KO)を第5ラウンドで壮絶にノックアウトした時のように、また圧巻のパフォーマンスを披露すると確信している。
「息子はオーバートレーニングなんかしてない」とノーマン・シニアは言う。「でも一つ聞きたいんだ。あれ(ハケットの発言)は試合の6週間前の話だったろ? もし6週間前に“オーバートレーニングしてる”って言うなら、ちょっと休めば治る話じゃないか? そんな話、突っ込みどころだらけだよ。オーバートレーニングってのはつまり休むってことだ。2〜3日オフを取れば問題ない。それだけのことだ。“今オーバートレーニング中だ”って言っておいて、そこからさらにオーバートレーニングを続けるって? 意味がわからない。今やSNSやYouTubeが話をここまで広げてるのは滑稽なくらいだ。
同時に、この状況は俺に自分が誰で、何を知っていて、どんな経験を積み、どんな視点を持っていて、自分自身をどれだけ信頼しているか、そしてブライアン・ノーマンという人間がこれまで何を成し遂げ、どんな結果を見せてきたのかを改めて理解させてくれる。……だから、そんな連中の言うことなんて聞く必要はない。誰が言っていようと関係ない。中には利害関係があったり、特定の人間に恨みを持っていたりする奴もいる。だから聞くな。信じるべきは自分自身だ。」
Keith Idecは『ザ・リング』の上級ライター兼コラムニストである。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡できる。