ノーマン(28勝0敗、22KO)は『The Ring』のウェルター級ランキング1位に位置付けられており、この試合でもその実力を遺憾なく発揮。初回には鋭いカウンターで佐々木を2度倒し、5ラウンド目には左フック一閃で挑戦者をマットに沈めた。
この勝利の内容に、試合をリングサイドで観戦していたトップランクのボクシング運営副社長カール・モレッティは深く感銘を受けた。
「ノーマンは初回に2度のダウンを奪った後でも、見事に冷静さを保っていたと思う」とモレッティは
『ザ・リング・マガジン』に語った。「相手の佐々木は明らかに焦りが見えていて、ノーマンも無茶なパンチをもらわないように注意していた。それでも彼は戦略通りに動き、徐々に距離を詰めて相手を崩し、最終的に見事なノックアウトを決めた。その過程で見せた成熟ぶりと冷静な判断力は、まさに素晴らしいものだった」
試合前、佐々木は『The Ring』ランキングで6位にランクインしており、危険な相手と見なされていた。
しかし実際にはノーマンが格の違いを見せつけ、佐々木を粗削りなファイターのように見せる結果となった。
「結局のところ、これは“レベルの差”だが、だからこそ実際に試合をしなければわからない」とモレッティは語った。「佐々木は自信満々でブライアンに挑んできた。アウェイではどうなるか分からないが、ブライアンは作戦を完璧に遂行した。それが重要だし、それをやり遂げるのはアウェイでは一層難しい。だからこそ価値がある。そうやって歴史が作られるんだ」
「まさに理想的な展開だった。アウェイではそれを実現するのはより困難だが、だからこそ多くのことを証明できる。それこそが、試合前に描いていた通りのストーリーになるのだ」
この壮絶なノックアウトは、今後も語り継がれることになるだろう。
「このKOを超えるものはない。今年のノックアウト・オブ・ザ・イヤーだ」とモレッティは断言した。「今後あらゆるハイライト映像で繰り返し流されるだろうし、人々が求めているのはまさにそういうシーンだ。タイムズスクエアからは遠く離れているけれど、まさに求められる瞬間がそこにあった」
この勝利で勢いに乗るノーマンは、試合後のインタビューで10月か11月に次戦を望んでいると語った。
モレッティもその時期に同意し、さらにノーマンの地元アトランタでの凱旋試合の実現を望んでいるが、フットボールシーズンとの兼ね合いもあり慎重な判断が必要だとしている。
「そのタイミングがちょうど良いと思う。年内にもう1試合行いたい」と彼は述べた。「階級内を見渡して、有力な挑戦者や統一戦、より大きな名前の相手──たとえば
デビン・ヘイニーや
テオフィモ・ロペスなど──がウェルター級に上がって挑戦してくれたら最高だ」
「PBCから『次はロリー(ロメロ)対ブライアン・ノーマンをやろう』なんて電話が来るとは思っていない。来てくれたら嬉しいけど、それを待っていたら墓の下だろう。我々の電話はしばらく静かだろうね、あの連中からは」
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