ブライアン・ノーマンは、それまで一度もアメリカを出たことがなかった。
無敗のWBOウェルター級王者ノーマンは、3月29日にラスベガスで王座を防衛した直後、
日本の挑戦者・佐々木尽の母国での防衛戦を快諾した。ただし、アトランタ郊外という自分の快適な環境を早めに離れる必要があることも、ノーマンは理解していた。
ジョージア州コニャーズ在住のノーマンは、6月19日に佐々木尽との
147ポンド契約・12回戦の王座戦を迎えるにあたり、東京で2週間を過ごす予定だ。この一戦は、大田区総合体育館からESPN+で配信される。
「慎重にやらないとな」とノーマンは『
ザ・リング』に語った。「俺が住んでるところとは11時間の時差がある。ふざけてる場合じゃない。食事と時差、それだけが問題。それ以外は全部クリアしてる。走る必要があれば外に出ればいい。トレーニングがしたければ、スペースとチャンスさえあればいい。あとは食事と時差に慣れるだけで、全部問題ない。」
ノーマン(27勝無敗、21KO、1無効試合)と佐々木尽(19勝1敗1分、17KO)の一戦は、ノーマンが3月にラスベガスのフォンテンブローでプエルトリコのデリック・クエバス(27勝2敗1分、19KO)を3ラウンドでストップしてから、わずか3か月足らずで行われることになる。昨年10月に左手の手術を受けたノーマンにとっては、これは歓迎すべき実戦復帰となる。彼は2024年5月、10回TKOでジョバニ・サンティヤン(34勝1敗、18KO)を下してWBO王座を獲得したが、その後クエバスとの初防衛戦までに10か月のブランクがあった。
強打を誇る24歳のノーマンは、ボクシング人気が高い一方で、アウェーの選手にも攻撃的ではない観客が多い日本で戦うことを楽しみにしている。
「そういうところが好きなんだ」とノーマンは語った。「あっちはすごく落ち着いてて、クールで、ほんとに礼儀正しい。他の国に行くと真逆だよ。『急所を打て! 目を突け!』みたいな感じでさ。あれは理解できないね。」
23歳の佐々木は、プロとして日本国外で戦ったのは6年前のバンコクでの一度きりだ。地の利が佐々木にとって有利に働くと見られるが、ノーマンはまったく気にしていない。
「すべてが彼のために用意された状況だ。だから彼はベストな状態でくるはず」とノーマンは語った。「俺は相手がベストな状態のときに戦うのが好きなんだ。彼はあそこでは本当にリラックスしてるし、地元で、自分自身とも向き合えている。でもだからこそ、俺がそこに行ってこう言える。『これがお前のベストか。でも、それでもまだ足りない』ってな。」
ノーマンは、IBFとWBAのベルトも保持するザ・リング認定ウェルター級王者ジャロン“ブーツ”エニス(34勝無敗、30KO、1無効試合)の指名挑戦者ランキング1位に位置している。一方、佐々木は同ランキングで6位にランクされている。
Keith Idec は『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter):[@
idecboxing]