エディ・ハーンは、
ジャロン・エニスが特別な才能であることを理解している。そのうえで、エニスの154ポンド級デビュー戦に向け、彼を試すことのできる相手を何とか用意しようと最善を尽くした。
ブライアン・メンドーサに、フィラデルフィアのスターと戦うオファーが来たとき、彼は驚かなかった。もっとも驚いたのは、しかし、提示されたファイトマネーであった。
「多少の交渉はあったが、向こうが金額を出してこないから話が進まなかった」とメンドーサは『The PorterWay Podcast Clips』で語った。
メンドーサ(23勝4敗、17KO)は選り好みをするタイプではないが、誰かに足元を見られることも許さない。これまでの自分の立場と実績を考えれば、エニス戦の条件として提示された内容には道理が通っていないと感じたのである。
「自分はほとんど交渉なんてしない。電話が来れば応じている」とメンドーサは続けた。「自分にチャンスが回ってくる理由は、誰よりも先に“イエス”と言うからだ。今の段階で自分はタイトルも獲ってきた。しかし皆が受け取っている“本物のペイチェック”の領域に、自分も踏み込もうとしている。」
2023年4月に
セバスチャン・フンドラを破ってWBC暫定王座を獲得し、自らの評価を高めたものの、それ以降、メンドーサにとって物事は下り坂となった。
その番狂わせの勝利により、彼はティム・チューへの世界タイトル挑戦を手にした。だが2023年10月の試合ではワンサイドの判定負けを喫し、競り合いにすらならなかった。数か月後、メンドーサは再び敗れ、今度はセルゲイ・ボハチュクに及ばなかった。
その敗戦の後、メンドーサは充電の時間を取った。どうやらそれが奏功し、7月4日にはヘスス・アントニオ・ロハスに対し4ラウンドKO勝ちを収めた。それでもなお、その勝利があったとしても、エニスを相手にすれば彼は大方の見方で巨大なアンダードッグであっただろう。
4月12日にニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールで
エイマンタス・スタニオニスに浴びせた猛攻によって、エニスはウェルター級の統一王者となった。しかし減量があまりに厳しくなり、154ポンド級での新たな挑戦へと向かう結果になった。
ある程度、メンドーサは、そのスムーズなスイッチヒッター(=エニス)と戦うのが自分でないことに苛立ちを覚えている。いずれ対峙したいと望んではいるが、エニス陣営との話し合いを振り返ると、結局はタイミングの問題だったと理解している。
「詳しくはあまり公にしたくないが、その試合のタイミングは良くなかっただろう」とメンドーサは語った。「本来得られるべき注目も実は十分に集まっていなかった。ただ、それでも自分はその試合に前向きであることは間違いない。」