クラレッサ・シールズがキャリアのフリーエージェント段階に入った。
シールズは2017年のプロ2戦目以来、プロモーターのドミトリー・サリタと二人三脚を組んできた。しかし現在、無敗のシールズ(17勝無敗、3KO)は市場を試すことにしている。先月デトロイトでラニ・ダニエルズに判定勝ちを収めてヘビー級王座を防衛し、
150万ドル近い興行収入を叩き出したばかりだ。
「クラレッサはフリーエージェントであり、自分に必要なことをするために市場を探索していく。それでまったく構わない」とサリタは『
ザ・リング』に語った。
「私たちは素晴らしい友情と仕事上の関係を築いてきた。彼女が自分のキャリアを私に託してくれたことに感謝している。成し遂げたことは歴史的で信じられないようなものだ。女子ボクシングの多くの“天井”を破り、多くの記録を作ってきた」
30歳のシールズは、アメリカ女子で2度の五輪金メダリスト。そのアマチュアでの成功をプロの舞台に持ち込み、4階級制覇を達成した。
しかし、もはや適切な対戦相手が枯渇しつつある。シールズは最近、47歳のレイラ・アリに1500万ドルのファイトマネーを提示し、現役復帰を促してきた。
また、アリシア・バウムガードナーに対しては強い反感を抱いているが、
130ポンド統一王者である彼女のことを「無関係な存在」と切り捨てた。もっとも
バウムガードナーは、合理的なキャッチウェイトでの対戦には前向きだ。
一方、他の選択肢としては、WBA・WBCスーパーミドル級王者の
フランション・クルーズ=デズーン、そして新たにWBO・IBF168ポンド王者となった
シャダーシア・グリーンが挙げられる。
サリタは、2016年11月にそれぞれのプロデビュー戦で拳を交えたクルーズ=デズーンとの再戦を望んでいる。シールズは当時、4回戦を判定勝ちしていた。
「フランションはエリートファイターであり、この競技で最も実績ある王者のひとりだ」とサリタは語る。「プロデビュー戦でクラレッサと拳を交えたとき──稀でリスキーな選択だったが──二人は歴史的キャリアの土台を築いた。
あの試合が示したのは、彼女たちが“恐れを知らぬ闘士”であるということだ。数年後、二人の世界王者による再戦は単なるビッグファイトではない。クラレッサにとって最も厳しく、最も意義のある挑戦であり、女子ボクシングにとって大きな瞬間になる」
「クラレッサは賢いビジネスウーマンであり、今では自分自身のブランドを持っている。彼女は自分にとって正しい判断を下すだろう。いまや彼女は“プロモーターに支払われる立場”ではなく、“プロモーターに支払う立場”にいる。彼女こそがボスであり、チケットを売り上げ、収益を生み出す存在だ。女子ボクシングにおけるメイウェザーであり、カネロなんだ。彼女こそが“ドリンクをかき混ぜるストロー”だ」
Manouk Akopyan は『ザ・リング』の主任ライター。Xとインスタグラムで @ManoukAkopyan をフォローできる。