スティーブンソンは、2023年11月にラスベガスのT-モバイル・アリーナでエドウィン・デ・ロス・サントスに判定勝ちした際、手と肩の故障が長引いていたことがパフォーマンスに影響したと示唆する。だが、その夜彼を抑え込んでいた理由が何であれ、
批評家たちは、当時空位だったWBCライト級王座をかけた12ラウンドの極めて退屈な試合で積極的に打ち合おうとしなかったスティーブンソンを激しく非難した。
アラムは、2023年10月にナヒール・オールブライトに対する10ラウンドのマジョリティ判定勝利が、テキサス州認可規制局により禁止薬物であるマリファナの陽性反応を受けて無効試合とされた後、よりファンに親しまれるファイターを目指すというデイビスの姿勢を称賛した。
バージニア州ノーフォーク出身のデイビスは、その後4戦4勝(3KO)を記録し、2024年2月14日にはニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン内シアターで、無敗のウクライナ人デニス・ベリンチクを圧倒してWBOライト級王座を獲得した。
アラム率いるトップランク社は、現在シャクール・スティーブンソンをプロモートしていない。しかし93歳の殿堂入りプロモーターであるアラムは、デ・ロス・サントス戦でのスティーブンソンのパフォーマンスを非難することは控えた。
「シャクールにはキーショーンとは異なる哲学がある」とアラムは『ザ・リング・マガジン』に語った。「シャクールはディフェンスの達人で、どうやって勝つかを知っている。しかし、彼はたぶんキーショーンほどの“装備”を持っていないからこそ、そこまで攻撃的なファイターではないのかもしれない。つまり、キーショーンほど強打ではないということかもしれない。ただ、2人とも非常に興味深いスタイルを持っているが、現時点ではまったく正反対のスタイルだ。」
アラムはまた、彼らが親しい友人同士であり、「絶対に戦わない」と繰り返し公言しているため、どちらが強いかをリング上で確かめる機会は来ないと理解している。もしも戦うことになった場合、どちらが勝つかと尋ねられても、アラムは明言を避けた。
「言うつもりはない。なぜなら、どちらも自分のスタイルを極めた達人だからだ」とアラムは語る。「もし2人が戦ったらどうなるかなんて、私にも本当にわからない。そして、おそらくその答えを知る日は来ないと思う。」
デイビス(13勝0敗、9KO、1無効試合)は、6月7日にノーフォーク中心部のスコープ・アリーナで行われるESPN中継の12ラウンドメインイベントで、ペンシルベニア州レディング出身のエドウィン・デ・ロス・サントス(16勝2敗、14KO)を相手にWBOライト級王座の初防衛戦を行う。
一方、サウスポーであるスティーブンソン(23勝0敗、11KO)は、ニュージャージー州ニューアーク出身の3階級制覇王者で、7月12日にニューヨーク市内の会場(後日発表)で、同じくサウスポーのウィリアム・セペダ(33勝0敗、27KO)と対戦する予定だ。2016年リオ五輪銀メダリストのスティーブンソンは、WBCライト級暫定王者であるセペダに対して義務防衛戦を行うことになる。この試合は『The Ring』提供の興行のメインイベントとして開催される。
アラムは、モチベーションの高いスティーブンソンが、セペダ戦ではデ・ロス・サントス戦よりも良いパフォーマンスを見せると期待している。ただし、あの試合でスティーブンソンの身体的問題がどれほど影響していたかについては、17か月経った今でも確信が持てていない。
「その件については話せない。彼のケガがどれほど深刻だったか私にはわからないからだ」とアラムは言う。「それを知っているのは彼自身だけだ。そして、こうした若くて才能あるアスリートたちの立場になって考えるなんて、ちょっと無理があるよ。私は93歳の老人だ。こんな年寄りに、ケガが若いアスリートにどう影響するかなんてわかるわけがないだろう?」
Keith Idecは『ザ・リング・マガジン』の上級記者兼コラムニストである。
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