アンソニー・ジョシュアは常に自分のリズムで歩み、キャリアを誰かに左右されることを望んできたことは一度もない。
しかし長年にわたり、彼と
タイソン・フューリーは、英国を代表する真のスポーツスターとしての名声と成功によって、切っても切れない存在として結び付けられてきた。
当然ながら、両者の対戦は常に理にかなっていた。しかし、いつもの理由により、それは実現してこなかった。実際に拳を交えることはなかったものの、互いに言葉の応酬を繰り広げることは止まらなかった。特にフューリーは、この数週間にわたり執拗で、あらゆる場面でジョシュアを批判し続けている。
フューリーは何度もジョシュアを挑発し、神経を逆なでしようとしてきた。しかし大半において、ジョシュアはそれを意に介さず、目の前の課題に集中してきた。現在の最優先事項は、
12月19日に米フロリダ州マイアミのカセヤ・センターで行われるジェイク・ポール戦をきっちり片付けることだ。
両者ともすでに無敗ではないが、対戦が実現すれば依然としてボクシング界に莫大な収益と話題性をもたらすのは間違いない。それでもジョシュア(28勝4敗, 25KO)は、自分と同じ職業に就いていない相手のことに、あまり多くの時間を割きたくはないと考えている。
「自分はジェイクと戦う」とジョシュアは「Mr. Verzace Podcast」でリック・リーノに語った。「それが今の焦点だ。フューリーは視界にも入っていない。インスタグラムの動画を作っていればいいが、リングに上がるのは彼ではなくジェイクだ。自分は本物のファイターを求めている。少なくとも自分の目には、タイソンは本物のファイターではない」。
フューリー(34勝2敗1分, 24KO)をもはや本物のファイターとは見なしていないものの、ボクシング界では、ジョシュアの次戦相手についても同様の見方をする声が少なくない。ポール(12勝1敗, 7KO)は人生の大半をユーチューブの世界で過ごしてきた人物で、ボクシングは最も縁遠い存在だった。2020年にその世界へ足を踏み入れた際も、ファンやメディアは彼を真剣に受け止めようとしなかった。
28歳の彼は、元NBA選手、MMAスター、そして全盛期を過ぎた元ボクシング王者たちが入り混じる相手と戦ってきた。直近2試合では、ほぼ60歳のマイク・タイソン、そして
全盛期を過ぎたフリオ・セサール・チャベス・ジュニアを相手に、いずれも難なく勝利を収めている。
しかし、ジョシュアはポールを単なるギミックとは見ていない。2012年ロンドン五輪金メダリストであるジョシュアは、2024年9月にダニエル・デュボアに5回試合ストップで敗れた一戦からの巻き返しを期している。
36歳のジョシュアが多くの人々の予想通りの内容を見せることができれば、その次の章はフューリーとの対決になる可能性が十分にある。
『ザ・リング・マガジン』が数日前に報じた通り、両者の対戦は2026年のリヤド・シーズン興行で計画されている。
フューリーは2024年にオレクサンドル・ウシクに連敗を喫した後、現役引退を発表した。
ジョシュアは、両者が24ラウンドにわたって激闘を繰り広げたことを覚えている。初戦では、大本命として臨んだフューリーが9回にあわやKO寸前まで追い込まれ、最終的に接戦の末に判定負けを喫した。
現在、ウシクとも2度戦っているジョシュアは、そのウクライナ人王者を友人と考えており、スペイン・バレンシアでは彼のチームと共にトレーニングも行っている。しかし、統一ヘビー級王者がフューリーを叩きのめす場面を見たかったとも明かした。そう前置きした上で、もし両者が戦うことになれば、自分がそれをやると約束している。
「ウシクがKOしていればよかった」とジョシュアは続けた。「彼は一度痛い目に遭うべきだ。誓って言うが、もし機会があれば、必ず仰向けに倒してやる。」