経験豊富な観戦者の一人は、次なる「世紀の一戦」が期待通りの内容になると確信している。
元ミドル級王者であり、現在は世界屈指の名トレーナーとして知られるアンディ・リーは、この両者のスキルセットが、ファンの期待を裏切らない試合を作り出すと信じている。
「これはすごい試合になる」とリーはザ・リングのルイス・ハートに語った。「勝者を予想するのは難しい。クロフォードのスキル、競争心、リングクラフトを本当に理解している人はほとんどいない。カネロにも同じことが言えるが、彼にはサイズのアドバンテージがある。
ニューヨークでハムザ・シェラーズがエドガー・ベルランガと戦ったときにクロフォードを見たが、もう小さくは見えなかった。体がしっかり出来上がっていて、大きく見えた。素晴らしい試合になる。両者はスキルで互角だ。
両者のテクニックや駆け引き、戦い方を見れば、間違いなく“記憶に残る最高の試合のひとつ”になるだろう」
クロフォード(40勝無敗、30KO)は2階級で4団体統一を成し遂げた王者。ウェルター級(147ポンド)で8試合を戦った後、スーパーウェルター級(154ポンド)に上げ、昨年8月にイスラエル・マドリモフ(10勝2敗1分、7KO)を判定で下し、WBAスーパーウェルター級王座を獲得した。
ネブラスカ州出身の37歳は、その前に11連続KO勝ちを収めていたが、マドリモフ戦では僅差の判定勝利にとどまった。
9月13日に向けて最大の懸念材料とされるのは、クロフォードがさらに2階級飛び越え、168ポンドの正真正銘のスーパーミドル級戦士であるアルバレスと渡り合えるかどうかだ。しかしリーは、4階級制覇王者であるクロフォードにとって体重は障害にならないと見ている。
「体重を上げれば強くなる」とリーは語る。「すべてにおいて力が増すんだ。クロフォードにとって不利になることはないだろう」
アルバレス(63勝2敗2分、39KO)もまた4階級制覇王者であり、スーパーミドル級では11戦全勝(4KO)。
35歳のメキシコ人は、5月3日にウィリアム・スクルを判定で下し、2度目のスーパーミドル級4団体統一を果たしたが、試合内容は決して印象的ではなかった。
近年の戦いでは衰えが指摘されるアルバレスだが、リーはクロフォードという挑戦者が最高のパフォーマンスを引き出すと考えている。
「カネロは優れたジャブを持ち、巧みなボディブローとカウンターパンチを放つ」とリーは語る。「前戦の出来で彼を過小評価する人が多いが、彼は必ず仕上げてくるし、闘志あふれる競争者だ。
この両者の素晴らしい点は、ともに“勝者”だということ。だからこそ、この試合が待ち遠しいんだ」